ウクライナ戦争の現状は「ドローン消耗戦」
戦争映画では、塹壕での駆け引き的な肉弾戦のような第一次世界大戦だったものが第二次世界大戦では、航空戦力を取り入れたものに変わりつつ、それでも肉弾戦のような兵士と兵士の殺し合いが主流だった。
ウクライナ戦争では、以下の記事にもあるように肉弾戦が今ではドローンを使った消耗戦となっているようだ。
消耗戦だが、別の表現で言えば、「戦争は最後に物量がものをいう」だ。
ウクライナもロシアもドローンで消耗戦している。
●焦点:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐えるウクライナ
記事では次のような始まり―――ウクライナ軍の小隊長
「どこもかしこもドローンだらけ。ドローンしか存在しない。大量のドローンだけだ」
どれだけドローンが主流なのかは次のようにーーー
「ウクライナ軍の内部算定資料をロイターが確認したところ、2024年のロシア軍歩兵に対する攻撃の69%、車両・装備攻撃の75%がドローンによるものだった。大砲による攻撃の比率は対歩兵が約18%、対車両・装備が15%にとどまり、迫撃砲攻撃はもっと少ない。」
一時期、ウクライナの砲弾不足などが報道されていたが、大砲(砲兵部隊)に代わって現在ではドローンが敵の監視、敵の発見、敵への攻撃を行っている。
そのようなドローンの最前線は、幅10キロほどの領域だそうだ。
「ウクライナ軍とロシア軍が対峙(たいじ)する最前線地帯は幅約10キロメートルにわたってドローンがひしめき合っており、ウクライナ兵は「殺戮(さつりく)ゾーン」と呼ぶ。なぜなら両軍が展開する遠隔操作の無人機(UAV)が素早く標的を発見し、無力化できるからだ。」
(それが攻勢のスピードを遅くしている様子だ)
ウクライナ戦争の最前線は、かなりの距離だ。
ウクライナが劣勢でもロシア国内奥地にもドローン攻撃している。
ウクライナの劣勢が報道されてもウクライナがロシア国内奥地のロシア軍爆撃機を破壊するような特殊工作的なドローン活用までやっている。
そんなウクライナの戦法について記事では次のように報道している。
ゼレンスキー大統領の戦略顧問を務めるオレクサンドル・カミシンーーー
「守り一辺倒では、大規模な戦争には勝てない」
「今、ウクライナがロシアに対抗しうる最重要カードの一つだ」
(もし、ゼレンスキーがプーチンの暗殺を企てるとすれば、プーチンも当然お返しをやるだろうが)
戦争の基本に立ってものを考えれば、戦争に勝つとは、歩兵による占領である。
そこでウクライナの戦法のロシア国内のドローン攻撃について考えれば、その攻撃が戦争に勝つ要因になるとゼレンスキー大統領顧問は考えていることになる。
だが、戦争の基本に立って考えるとロシア国内の攻撃によるロシアの戦力削減は、現状では、ロシアに占領された領土の奪還に役立っていないのがわかる。
ロシアとの戦争に勝つという言葉の意味は、唯一、ロシアに占領された領土を奪還することにある。(領土奪還がありえないから、ロシアが停戦に応じるように圧力をかけるわけである)
開戦当初にロシア軍が一気にウクライナの領土を占領、一時期にはウクライナの首都キエフに迫る勢いだったが、あっさりとロシア軍が撤退するとロシア軍の劣勢がよく報道された。
その後、たびたびロシア軍の撤退が報道されつつ、最初の話題になったのがマウリポリの陥落だった。
それからロシアは、ウクライナ4州を併合宣言し、ジワリジワリとロシア軍の占領地が拡大した。
それらの経緯には、ウクライナに対するドイツの戦車の供与とか、アメリカの戦闘機の供与がよく報道された。
しかし!ウクライナの反転攻勢などない!
そしたら、ウクライナ軍がロシア国内に攻め込み、一時的に占領した。
それでただでさえ長い前線は、より一層長くなった。
トランプでさえ、ゼレンスキーに戦争に勝てないといったほどだ。
依然としてウクライナは、ロシア軍に抵抗を続けてドローン戦の消耗戦を続けているわけである。
しかもロシアは、ウクライナとは異なり、ミサイル攻撃をしている。
戦争全体で言えば、消耗戦での成果は、物量に優れているロシアの攻勢となっている。
◇ドローンについての兵器としての評価
記事では、大砲やミサイルなどの兵器に比べてドローンの価値について次のように書いている。
ポーランドの軍事アナリストーーーコンラッド・ムジカ
「兵力不足やロシアの物量の前で、ウクライナは長期の消耗戦に苦しみそうだとみている」
「ドローンは戦場に変化をもたらしたとはいえ、砲兵や迫撃砲がない状況を補えるほどの力はないと警告する」
(ドローンは、ウクライナの反転攻勢にならないという意味だ)
確かにドローンは、映画のようなヒーロー的な成果にふさわしいものがある。特殊工作的だといえるが、戦争は特殊工作ではない。第一次世界大戦や第二次世界大戦のような血なまぐさい殺し合いで敵領土を占領するような地道なものだ。
最後にウクライナの小隊長がドローンの脅威を述べている。
「「イワン」小隊長は、両軍の兵士の命にとって今は砲弾や地雷、敵兵よりもUAVが最大の脅威だと話した。」
ドローンは、戦争に勝つ決め手にはならないといえる。しかし、最前線にいる兵士にとっては、殺しの道具以外のなにものでもなく、ドローン戦を通じてトランプの言う殺し合いしか生まない。
戦争に勝つには物量が必要だ。
兵器の多くを他国の供給に頼るウクライナに戦争に勝てる見込みというのは、ほぼゼロだ。
しかし、戦争を続けるだけなら、勝てない戦争、負けることはない戦争を続けることが可能だ。
問題はプーチンの戦法にある。あいつ、どのように考えても戦争に本気を出さず、じわりじわりとウクライナを苦しめるだけの自国民の戦死者を気にしないヤクザのような落とし前をウクライナにやっているとしか思えない。
もし、ロシアが本気を出すなら、イラクのフセインに60万人の兵力を使ったアメリカ中心の有志連合のように、100万人以上の兵力を投入するだろう。---もちろん、核の使用無しでの戦争だ。
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2019年10月10日。
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