すてきな友達がいます。
小学生時代からの友達で
彼女がピアノに向かえば、シューベルトの魔王を歌いながら奏で
彼女が画用紙に向かえば、そこに実物さながらのスニーカーが現れ
ほんとにほんとに魔法使いのような人、いつもキラキラした驚きをもらっていました。
大学時代の彼女の部屋に泊めてもらったとき
朝、おにぎりを作ってくれました。
三角のおにぎりに、ひとつは金ゴマをまぶしたもの、もうひとつはおぼろ昆布をつけたもの
それが、なんともいえない美味しさだったのです。
彼女の手が長い髪を纏めたとき
彼女の手が布を物に仕上げるとき
彼女の手が粉を捏ねてパンにするとき
そんなとき、ほんとに魔法が掛かったように素晴らしく輝きだす
そんなことを見せてもらった経験から、『手ってすごいかも』と手を意識するようになりました。
手の力、手が伝えるもの
今、それが自分にもどなたにもあることが解ります。
わたしはわたしの手を通して、わたしの手に出来る形で魔法を掛けていきますね。