ハマスの壊滅は「不可能」…イスラエル元首相のオルメルト氏 2024/05/23 | プルサンの部屋(経済・世界情勢・株・通貨などを語るブログ)

敵国転覆作戦や暗殺などを指揮してきたイスラエルの治安当局の歴代長官らが団結し、ネタニヤフを倒そうとしています。
さらに、まさか、あのオルメルト元首相も反ネタニヤフ派に加わった。
ネタニヤフは窮地に立たされたかっこうだ。

ハマスの壊滅は「不可能」…イスラエル元首相のオルメルト氏「ガザからの撤退」提言
【エルサレム=福島利之】イスラエルのエフド・オルメルト元首相(78)は20日、テルアビブで読売新聞のインタビューに応じた。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相が目標として掲げるイスラム主義組織ハマスの壊滅は「達成不可能だ」と断じた。
早急に取り組むべき課題については、「人質帰還のためにハマスと合意を結ぶことだ」と指摘した。
オルメルト氏は右派政党リクードを率いるネタニヤフ氏と同世代で、政治的にライバル関係にある。
昨年10月のハマスの奇襲について、ネタニヤフ氏が2009年に2度目の首相に就任して以来、「長期間にわたって和平交渉を進めず、(ハマスなどの)過激派が力をつけた結果だ」と批判した。

 

「交渉なしに(ヨルダン川西岸で)入植を進め、(自治政府などの)穏健派は(人々に)提供できるものがなくなった」との見方も示した。ただ、奇襲の影響については「イスラエルは強大な国家で生存が脅かされたとは思わない」と述べた。
パレスチナ自治区ガザでの戦闘の成果は「非常に乏しい」と明言した。
国際部隊の駐留によってイスラエル軍をガザから撤退させ、人質帰還の合意を交わせると強調し、「ガザからの撤退を決断すれば、戦争は終わる」と提言した。
イスラエル軍が追跡するガザのハマス指導者ヤヒヤ・シンワル氏の生死は「中東全体の安定やイスラエルの安全保障に関係ない」として、大局的に状況を見るべきだと強調した。
戦後のガザ統治については、「パレスチナ人が支配しなくてはならない」と言及した。ハマスの統治が終わった後は「パレスチナ人がエジプトやヨルダンなどのアラブ穏健国と共に支配することが望ましい」との考え方を示した。

 パレスチナとの和平を巡っては「和平合意がなければイスラエルの生存はやがて脅かされるだろう」との見方を示し、和平合意の重要性を主張した。
解決策として「2国家解決は理想ではないかもしれないが、他の選択肢があるとは思わない」と述べた。

オルメルト氏は、極右と連立を組むネタニヤフ政権を「非現実的で国際社会から受け入れられていない」と批判し、「即座に政権交代が必要だ」と訴えた。

エフド・オルメルト(Ehud Olmert) 1945年生まれ。
弁護士を経て、28歳でリクードからクネセト(国会)議員に当選した。
エルサレム市長や副首相などを経て、2006~09年に首相を務めた。
在任中に2006年の第2次レバノン戦争や2008~09年のガザ侵攻を指揮した。