英国の食事がまずい理由 2024/02/28 | プルサンの部屋(経済・世界情勢・株・通貨などを語るブログ)

明治維新などから左派左翼リベラル派の英国は日本をめちゃくちゃした点に怒りを覚えてる。
スタンフォード大学西鋭夫教授も同じ事を言っている。
日米同盟を解消し、日英再同盟は断れ。
プーチンに詫びて日露同盟をすべき。

英国の食事はまずい。
欧州へ何回も渡航した俺の感想だ。
俺は毎日自炊しており、自分がおいしいと思う飯を作ってるから、外食しなくても旨い。
だが、英国は違う。まずい。


英国  メシマズ国家の成立
英国と言えば、飯の不味いことで有名だが、実際に行ってみるとうん、本当に不味い。

サマセット・モームは、英国でまともなメシを食べたかったら、三食朝食を食べろと言った。
確かに、イングリッシュ・ブレックファストは、コンチネンタルに比べて品数も多く充実しているが、一般家庭で毎朝そんな朝食を食べてる訳ではない。

最近では、まともなレストランなども増えたが、アレはフランスやイタリアの資本である。

俺が滞在していた1980年代のエゲレスで、外食といえば中華かインド料理だった。

そんなメシマズ国家でも、無理矢理探せば食えるものは無くはなかった。
ホテルの朝食やアフタヌーンティーなんかは、かなり食える。
パブのランチも悪くない。
と言っても、サンドイッチやフィッシュ&チップス程度だが。
ぬるいビールと合わせて食うのもオツなものだ。

あとは、キドニーパイとマッシュポテトなんかも、食える部類だった。
基本、エゲレスのメシは、肉を丸ごとオーブンに放り込んで焼き、野菜はクタクタになるまで茹でるだけである。

味付けはテーブルの塩コショウでご自由にと言うのが、英国料理の奥ゆかしさなんだとか、意味不明な御託を垂れる料理人もいた。

なんつーか、エゲレス人てのは、せっかくの食材をわざわざ不味くする天才と言える。
中でも最もヤバいのが、ウナギゼリーである。
ぶつ切りにして茹でたウナギをそのまま冷やして、ウナギから出たゼラチン質で固めた、日本風に言えば煮凝りである。
日本で蒲焼という高級激ウマ料理になる食材を使って、なんで味もなく生臭く見た目もヤバい料理が作れるのか、そのセンスが理解できない。

だが、ローストビーフやドーバーソール(舌平目)なんかは、それほど悪くない。
しかし、フランス人に言わせれば、ドーバーソールは素材が旨いのであって、料理が上手いわけではないとかなんとか(笑)w

そんなフランスも、かつてはイギリスと変わらない野蛮なメシマズ国家だった。

そもそも、ローマ帝国のハドリアヌス帝がケルト人をスコットランドやウェールズに追いやって版図を広げ、ローマ帝国滅亡後のイングランドに乗り込んできたのがフランス人だから、元々同じ人種である。

厳密に言うと北方バイキング系のノルマン人やけどね。

百年戦争だの薔薇戦争だので戦い合っていたのは、実はノルマン系フランス人同士である。
なんで、フランス人がイギリスで戦争をしてたかと言うと、その時代、フランス北部とイングランドの土地をめぐって、フランス諸侯が領土争いをしていたからである。
英国史にジョン失地王という不名誉な名前の王が出てくるが、ジョンもフランス人だし、失ったのはフランスに持っていた領土である。

そんなフランスが粗野なメシマズ国家を脱却できたのは、イタリアとの交流のおかげである。
とりわけ、フィレンツェのメディチ家から嫁いできたカトリーヌ・ド・メディシスの功績が大きいとされている。
それまで手掴みでメシを食っていたフランス宮廷に「まあ、なんてお下品な!」と言ったかどうかは知らないが、ナイフやフォークを取り入れたのもカトリーヌだという説がある。

メディチ家は、medicineの語源で、その名の通り医薬の商売から始めて銀行家として成功し、王侯貴族らに金と恩を貸し付けてイタリアの実質的支配者に成り上がった華麗なる一族である。

因み、英語のbankの語源はイタリア語のbanco(南米などでよく聞く銀行=バンコ)で、ベンチという意味である。
かつて銀行家がベンチに座って接客していたからと言われる。

イタリアが当時も今もメシウマなのは、温暖で海に囲まれ農業がしやすい地理的条件によるものが大きいが、食文化と呼べるレベルにまで到達したのは、ルネサンス以降のイタリアで実質的な権力を持っていたのが王侯貴族ではなく商人だったからと言える。

王侯貴族と言うと、絢爛豪華な宮殿で贅沢三昧な生活を送っていると思いがちだが、そんなイメージを作り出したのは、カトリーヌが嫁いだ100年後に太陽王と呼ばれたルイ14世である。

ルイ14世の時代のフランスは、世の中が安定し、豊かになったせいで、ヴェルサイユ宮殿なんかを造って、王侯貴族が贅沢三昧するようになっていた。
だが、王侯貴族の本来の役割は、戦争をすることであると言うと語弊があるが、領土を守り、あわよくば拡大することだ。

戦って勝っても、いつ奪い返されるか分からないので安眠できず、城という名の要塞に住み、襲撃に備え、出撃の準備をし、また、同族同士でのトップ争いも熾烈で、いつ寝首をかかれて暗殺されたり塔に幽閉されるかも分からない。

泥水を啜ってでも生きていけるぐらいじゃないと務まるものではなく、ウマいメシなんか食ってるヒマはないのである。

そんな王侯貴族の本分を忘れ、贅沢三昧するようになったフランスのブルボン王朝は、ルイ16世の時に国民に寝首をかかれて革命を起こされ王は処刑された。

一方、メシマズこそが王侯貴族の矜持の英国は、世界中に植民地を増やして版図を広げ、産業革命を起こし、20世紀の世界大戦でも王侯貴族はその本分を果たし、フォークランド紛争でも王子が出撃し、21世紀の現在でも階級制度を維持している。
今後も、階級制度が続く限り、英国のメシマズは続くのだろうね。