10/4 7回目入院の2日目。
午前に腹水を1.7リットル抜いたという。ちょっと楽になったからか、カロリーメイトのゼリーとジョアを少し口にしたと、看護師さんが嬉しそうに報告してくれる。
前日に、夫の兄に連絡したところ、駆けつけてくれた。病室に入り「お兄さん来てくれたよー」と声掛けると、「ありがとう。キツいけど後ちょっとだ」と声を振り絞る。義兄も大病から立ち直ったばかりだったので、夫も家にお見舞いに来るのは断っていて、電話連絡を取り合う事でお互いに納得していた。だから、実際に対面するのは随分久しぶりで、痩せてしまった弟の姿に驚いていた。
義兄が病室から去る時、帰るねと声を掛けると、夫は右手を差し出して握手を求めた。義兄感動、ひとまずは良かった。
夕方、主治医先生が病室を訪れてくれた。早く緩和ケア病棟に移れるよう、プッシュしてくれたらしい。明日には今週中に移動可能かどうか、分かる筈だけど自分は明日別の病院で勤務だからー、と言葉を濁す。ああ、もしかしたらこれが最後にお話しするチャンスになるのかな、と直感する。
なので、少し話を振ってみた。
昨日は私も病院帰還で興奮状態に近く、ちゃんと感謝の言葉を伝えてなかったので、まずは改めてお礼を述べた。だけど、本当に怖くて自宅で死なせてしまうと、ハラハラし通しだった事も率直に話した。先生曰く、自宅に戻るのは夫の強い希望だったという。昨日の診察室での夫の表情から、先生はまさにやり切った感を強く感じたそうだ。ギリギリのタイミングだったね、と。
先生と話すのはもう何回目か分からない。いつもは夫に代わって私がメモを取り、細大漏らさず聞こうと気を張り、しっかり振る舞ってきたつもりだ。が、この会話をして、涙が止まらなくなった。私はこの一年、一人でどれだけ泣いたか計り知れないが、先生の前で泣いたのはこの日が初めてだと思う。
翌日、金曜日に緩和ケア病棟への移動が正式に決まり、必要書類に記入した。丸々9ヶ月近くお世話になった内科先生から離れる瞬間。昨日お礼を言えて本当に良かった。