夫からの大事な話


入院期間中、主治医と話合いがあった。自分の体の感覚から俺はあと3ヶ月くらいと思うし、先生も同じ意見だった。あなたは色々気にして在宅ケアも考えているようだが、自分が家族に迷惑をかけるのは何があっても耐えられない、このまま今の病院のケア病棟に入れてくれ。そして二度とこの家には戻らない。介護保険申請も不要、そんなお金は将来ある人たちに使ってもらいたい。この段階になって願うのは、ただ一つ。(私の呼び名)と一緒に残りの時間をケア病棟で過ごし、苦しまずに静かに逝きたい。


必ず希望に沿うように約束した。その後、いかにこの結婚生活が幸せで、私がどれだけ感謝してるかなどを話した後、私から気になっている最後の点を話させてもらった。


夫は誰にも病気の事を知らせていない。葬儀も身内だけで行えと頑なに言ってきた。私は夫がどういう働き方をするか、人となりを分かっている。絶対に慕われている。夫と親しくしてくれていた方々が、ある日突然訃報を受け、お別れの機会もないのは、あまりにも辛すぎる。葬式は身内に限定しても通夜くらいは仕事仲間や友人を呼ぶべきだと懇願した。夫も納得。それで良いとの事だった。やっと説得できた。


この30分ほどの会話が限界だったようで、悪いけど声出すのがキツいと言って、すぐにまた眠りについた。


夜遅く、すでに独立している息子が帰宅。ソファで眠る夫を見て絶句した。