雪の箱根 明神ヶ岳 | ALMOST PARADISE Alternative

雪の箱根 明神ヶ岳

2月3日 (土) 箱根外輪山 明神ヶ岳~矢倉沢峠~仙石

 

久しぶりの山歩きは雪山歩きになりました。Hawkはアイゼンを装着するチャンス到来とばかり大張り切り。一方、ワタクシLionは雪が苦手なので不安いっぱい。さて、どうなることやら。。。

 

8時。宮城野で予め確保しておいた駐車場に車を停めて出発です。登山口へは徒歩5分ぐらいで到着。雪一色の中、軽アイゼンを装着して山歩き開始です。

 

 

 

 

ハイキングの案内板によると、ここから最初の目的地である明神ヶ岳までは90分とのこと。別荘地の裏側を通る道を登っていきます。思った以上に雪深く、やわらかい雪に容赦なく足はすぶりと嵌って歩きにくいことこの上ない。。。のっけから私は暑くて暑くてすぐにソフトシェルを脱ぎ捨てる事態に。この時期に汗だくってヤバクない?

 

 

 

この状態の私にHawkも大いに先行き不安を感じたようです。唯一の癒しはまるで道案内のように続いている動物さんの足跡。ハートの形をしていることから、イノシシさんでしょう。

 

 

1回目の分岐で別荘地の裏側を通る道が終了。明神ヶ岳 70分 宮城野20分となっています。

 

 

今までは序盤に過ぎず、ここからが本番。雪道をひたすら登るのですが、ただですら短足で小幅の私の歩みの遅いこと、遅いこと。Hawkに全く追いつけず、少し急ごうとすると、足元の雪が突如崩壊して前につんのめること数回。。。

 

雪深いので転んでも問題ないのですが全身雪だらけになって冷たいのです。しかし、身体の内部は暑くて、額からは汗が滴り落ちるし一枚、また一枚、上着を脱ぎ捨てていく私でした。

 

 

次の分岐で明神ヶ岳45分、宮城野40分となっていました。やっと半分です。大雪に体力が奪われ、お腹が空いちゃった私は先は長いというのにランチ用に用意したパンに齧り付きました。パワーチャージして少し元気になったのですが、すぐに腹ペコに。一体どうしちゃったのでしょう?頂上はまだなの?一体、どんなけ歩けば頂上なのよ?心の中でもう嫌~~!と何度叫んだことでしょう。それでも無常にも山頂は全然近づいてこないのでした。

 

 

もういい加減にうんざりしていた時、前方に現れたのはハコネダケのトンネル。道を塞いでいる状態なので、ここをくぐり抜けるしか先に進めないのです。四つん這いになって通り抜けるのですが、思わず「こんな所、通りたくない!」と
声に出してしまいました。やっとの思いでトンネルをくぐってやれやれです。

 

 

それからも一箇所たりとも楽に歩けることなく、最乗寺分岐までやってきました。そして次の分岐でやっと明神ヶ岳まで10分という標識があり一安心。それからもひたすら雪と格闘しつつ、あと10分って書いてあったよね?まだ着かないのかなぁ?と思っていたらまたまた標識が。そこには明神ヶ岳まで10分と書いてあるのですよ。ええっ、先程の標識からずいぶん歩いたような気がするけど、一体何これ?勘弁してよ。まあ、先に進むしかありません。この頃になるとHawkも疲労の色を隠せない状態でした。

 


無言で歩く2人。やがて頂上まで5分という標識があり、どうせ当てになんないよね!と2人で怒りながら歩いていたら本当にここからは目と鼻の先でした。

 

山頂に到着したものの、周囲はガスっていて眺望はゼロ。雪、雪、雪が広がるばかり。その時、背後で賑やかな声が聞こえてきました。ワンゲル部の高校生達でした。流石に若者は元気ですね♪素晴らしいことです。

 

 

 

私達も形ばかりの記念撮影をして、先に進むか、来た道を引き返すか検討しました。地図を見ると宮城野へは80分、矢倉沢峠へは90分となっていました。う~~ん、10分の差だったら縦走しようかな。。。ということで先に進むことになりました。

 

 

実はここからは稜線になっていて、稜線マニアの私にとっては楽しい道のハズ。しかしそれは見事に裏切られました。もちろん、稜線で見晴らしが良くて時々雲の合間から青い空が顔を出すのですが、それも束の間のこと。すぐに周りの景色は雲に覆われてしまいます。山道は思った以上に細かなアップダウンが続き腰が悲鳴を上げ始めました。踵も痛いしなぁ。

 


何よりも大変だったのはハコネダケの攻撃。雪の重みでアーチ型になったハコネダケが至る所で待ち受けていて、その都度、しゃがんだり、大股で通り越したり。しかもハコネダケのアーチからは容赦なく雪が落ちてきて、服やザックに降りかかります。身体中びちゃびちゃだよ。もう大変な藪漕ぎ騒ぎで疲労度もMax。

 


気持ちに余裕がなくなってきた私は大いに腹を立て、Hawkに罵詈雑言を浴びせるのでした。

 

すれ違うハイカーさんも疲れているように見えました。大変なのは私だけじゃないのね。早く矢倉沢峠に着きたい、日没になったら怖いし。その一心で殆ど休憩無しでひたすら歩く2人。もう何度格闘したかわからない嫌がらせとしか思えないハコネダケに身体ごと強引に突っ込んでみたり、下りは滑るように半ばやけっぱちになって歩く私。


ついに目前に金時山が迫ってきました。天気が回復して稜線が綺麗!良かった~~♪そこから矢倉沢峠までは割とすぐに到着しました。

 

 

あとは金時山登山口を経て仙石のバス停まで歩けばOK です。残り30分です。この区間だけは歩きやすくて助かりました。

 

登山口でアイゼンを外して、バス停までテクテク。。。と、バスが停車中です。急げ~!とばかり、走ってバスに飛び乗りました。こんな元気が残っていた自分に驚きです。満員御礼のバスで宮城野まで行き、そこから駐車場に戻りました。

 

 

さてさて、本日の山行はなんと7時間オーバー。実にコースタイムの2倍を記録した亀足Lionでした。今までどんなに大変な山でも山行中に数回は「楽しい!登ってよかった!」と思えるのに、今回ばかりは苦行としか思えず2度と雪山には登らないって宣言した私でした。Hawkは「もうアイゼンが必要な山には一緒に行けないの?」とさびしそうにポツリと呟きました。

 

 

今後、どうなっちゃうのでしょう?

 

つづく