今日は1日たくさんのことを考えていた。

いや、正確に言えば考えていたことは1点のみでほかの話題はそれに付随する利害とか杞憂に過ぎない。

私が考えていたのは人間の寿命について。

もしかしたら私を支えてくれる肉親との生活はあと5年くらいしたら変わっているかもしれないと思ったことだ。

いざというときの救急対応については健康番組をみたり本を読んだりして自分なりに知識をつけていたつもりだ。

けれどいざ床に横たわる家族の顔を見たら頭が真っ白になった。

こんなとき、どうすればいい? 心臓マッサージか?

第一声で確かめることは? 頭は打ったかを聞く? それとも呼吸について? アナフィラキシーショックか? そもそもこれらを尋ねることで目に見えていないなんらかの症状を悪化させたりしないか?

私はもう高校生の時分から社会生活から切り離されていて、独り立ちできるほどの財産を持ち合わせてはいない。病気を克服して、なんとか自分の食い扶持くらいは稼いでこれ以上の負担をかけたくない。

残された時間を10年単位で考えるほど楽観的になれないのだ。

とりあえずこのことを精神科のドクターに話すか、それとも倒れてから時間が経っていないから側で状態を見ていたほうがいいのか迷っている。