ワイの読書の勢いが止まらんのです。

６月はなんと11冊も読んだった。

将来の夢は読書系ユーチューバーです、ウソです。

例によって例の如く簡単な読書感想文でそれぞれ紹介していきます。

あおきてつお「邪馬台国は隠された」

何度目かの読み直し。

邪馬台国がどこにあったのか？

その謎を解く本なんかは腐るほど出てますし、今なら邪馬台国について詳しく語っているサイトやYouTubeの動画も腐るほどあるわけですが、この本はなかなかに説得力があって目からウロコなのです。

歴史ミステリー、とりわけ邪馬台国に関しては資料が乏しい上に解釈の余地が多くあり、だからこそロマンがあって面白いわけですがワクワクしますよね。

なおこの本をダイジェストで語っている動画がありますので超長い（約1時間）ですが貼り付けておきますね。

奥田英朗「リバー」

北関東で起こった十年前の未解決連続殺人事件と酷似した事件が発生、同一犯か？模倣犯なのか？

読み応え抜群の圧巻のハードカバー650ページの大作、めっちゃ面白かったです。

いろいろと書きたいけどネタバレになるので自粛。

ワイ的にはボティ（BOTY＝Book Of The Yearの略な）候補の一冊。

トレヴァーモリス「辮髪のシャーロック・ホームズ」

清朝末期の香港を舞台としたホームズのパスティーシュ作品。

要するに香港版ホームズ。

ホームズ作品を知ってたら元ネタとか小ネタを含めてより楽しめるでしょうけど、知らなくとも楽しめます、知らんけど。

ですが中国語や広東語が頻繁に登場するのでかなり読みにくく、慣れるまで時間がかかります。

東野圭吾「クスノキの女神」

安心＆安定の東野圭吾、「クスノキの番人」の続編です。

読みやすくてぐっと来る展開、軽く読めてしみじみと感動、さすがやな、と。

これはオススメですが、その前に前作を読め、いや前作を読んでなくとも楽しめます。

白川尚史「ファラオの密室」

古代エジプトを舞台にしたミステリー。

亡くなった主人公がミイラとして蘇るというふざけた設定というかとぼけた味わいがあるかと思いきや内容は真面目な本格ミステリーでこれは正直期待していなかったのですがなかなか良かったです。

密室殺人、死後の世界、友情溢れる人間関係、それらが混然一体となってグイグイと読ませます。

主人公の伏線は・・・ワイは早々に気づいたわ（ドヤリング）。

これはオススメです。

浅倉秋成「六人の嘘つきな大学生」

意識高い系の意識たかじん（自分で考えておきながらこの言葉気に入ってます）の大学生の就活をベースとしたミステリー。

人物像が二転三転するのが読みどころなのかも知れんが個人的には「まあこんなもんかな」というのが正直な感想。

作者は「伏線の狙撃手」とか言われてるそうですが、なんやねん伏線の狙撃手て。

確かにいろいろ伏線や仕掛けはあるのですが、ちょっとフェアじゃないところが多いかな、と。

なお映画化される模様。

安田謙一「神戸、書いてどうなるのか」

作者自身が神戸のことをいろんな角度から思い出とともに語るという内容。

古き良き神戸を思い出すにはうってつけのエッセイで、楽しくそして懐かしく読めますが、私的な体験や感想の垂れ流しなので土地勘や思い入れがないと共感するのはチト厳しいかも。

ひとつひとつが見開き２ページなので読みやすく、適当に開いたところを読むのもヨシです。

タイトルの元ネタは・・・今さら説明するまでもないでしょう。

あと、「天一軒」の焼き飯を「魂のヤキメシ」と呼ぶ、というのが本書の中に出てきますが、同じことがあまから手帖７月号でも書かれておりました。

次回の飲み歩きは天一軒で魂のヤキメシを食します（今の気分）。

東川篤哉「野球が好きすぎて」

6月のネタ枠の一冊がこれ。

プロ野球で実際に起こった出来事をベースにしたミステリー短編集。

ヤクルト狂の親娘刑事二人主人公で、野球に纏わる事件が起こってなぜか毎回「ホームランバー」というバーで事件が解決、そして解決するのが唐突に登場する赤いカチューシャに赤い眼鏡で赤いユニホームを着てレッドアイを飲む謎の真っ赤なカープ女子、しょうもないが痛快で面白い野球ミステリーでした。

マニアックなネタが満載で、プロ野球好きには是非とも読んでほしい一冊。

似鳥鶏「叙述トリック短編集」

これもネタ枠に近いかも。

最初から「この短編集はすべて叙述トリックが含まれています」と宣言しているタイトル通りの叙述トリック短編集。

こういうのはね、わかっていても騙されるもんです。

ワイもいくつかは「たぶんこうやろなあ」というのはあったけど、最後の短編でオチがあるというよく出来た内容でした。

ちなみに叙述トリックというのは読み手の先入観を利用してミスリードを誘う手法のことです。

例えばこんな感じ↓

桜井美奈「私が先生を殺した」

イケメン人気教師が全校生徒の目の前で校舎屋上から投身自殺、教室の黒板には「私が先生を殺した」という一文が、というオハナシ。

これはどちらかというと「イヤミス」ですな。

「イヤミス」というのは読んだ後にいやな気分になるミステリーのことで、まあ後味が悪いです。

ただ、ミステリーにおいてはその後味の悪さも含めて面白さがあったりするのですが。

「イヤミスの女王」なんて呼ばれている作家もいたりします。

タイトルの意味は読後に反転するという仕掛けになっており、重たい内容ではありますがスイスイと読めます。

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖　～扉子たちと継がれる道～」

このシリーズも数えてみると11作目で、栞子シリーズが７作、その娘である扉子シリーズが今回ので４作目となるわけですが、今回のが一番読み応えがあったかも知れん。

いや、これまでのシリーズがあってこその今作なのはわかっていますが、ひとつの節目というかまとめ的な内容になっている、ような気がします。

昭和・平成・令和とそれぞれの時代の十七歳（祖母・母・娘）が語られ、もちろん内容は毎度の古書を巡るミステリーで、オススメしたいんやけどこうした続きもんっちゅうのは最初から読まなアカンので、いや単体でも十分に楽しめますが、どうにもハードルが高くなりがちですな。

というわけで以上11冊、魂の読書レビューでした（ウソ）。

そしてこの日（6/30）、ウイスキーをやりながらの音楽は今井美樹。

「Blue Rain」は梅雨のこの時期にぴったり、かどうかは知らんがしっとりとした名曲です。

〆はオムライス。

卵が綺麗に巻けると何だかいいことがあるような気がします、あくまで気がするだけですが。

6月の読書 他

6月の読書　他