日曜日
朝早くに家のチャイムが鳴った。
「隆弘…!?」
そこに立っていたのは木曜日以来の隆弘だった。
「実彩子の日曜日、俺にください。」
「…楽しませてくれる?」
「もちろん」
いつもの笑顔で隆弘は頷いた。
「急に来たんだから準備なにもしてないんだからね。待っててよね。」
「部屋に上げてくれる?」
「…仕方ないなぁ」
いつもはなかなか起きられない朝でも、今日はまだ家族が寝ている間に起きて、両親が起きてきた頃家を出た。
もともと約束していたとはいえ、実彩子と今日の打ち合わせはしてないし、きっと実彩子は今日のデートは木曜日の時点でなくなったって思って寝ているだろうな。
初デートの時みたいに緊張で手が震えながらもインターホンを押した。
こんなふうに彼女を家に迎えに行くなんてしたことがなかったから、実彩子と付き合いたての時は緊張でよくお腹壊してたっけ。
なんて考えてたらパジャマ姿にスッピンの実彩子が玄関を開けてくれた。
デートも受け入れてくれて、さらに初めて部屋に上げてくれた。
初めて入る実彩子の部屋にドキドキキョロキョロしながら、実彩子の服を一緒に選んで、髪型も、あーでもないこーでもないって時間をかけてセットした。
さっきまで実彩子が寝ていたベッドをみてドキッでしたのは内緒だけどね。
実彩子の両親に挨拶をして家を出た。
お父さんはちょっとさみしそうな顔してたけど、お母さんに付き添われてキッチンへ入っていった。
「今日はどこに行くの?」
「そのうちわかるよ。とっても大切なところ。」
木曜日のことがなかったかのように肩を並べてイルミネーションの電飾を取り付け始めたイチョウ並木を歩いた。
クリスマスが楽しみだね。
そう言ってすこし顔を赤らめた実彩子。
その言葉を聞いたら今までの不安は全部飛んでいった。実彩子が思い描くクリスマスには、俺がいることが前提なんだって、うぬぼれでもなくそう感じた。
