⑧〈一カ月健診と家族3人の生活へ〉
そこからの記憶はあまりない。
正確には、何も感じないようにしてた気がする。
毎日ロボットのように3時間おきの授乳に励み、長い長い一日をひたすら耐えた。
そして、一カ月検診までの日にちを指折り数えて待った。
自分なりにストレス解消というか、少しでも気を紛らわせる方法も試した。
ゼラニウムのアロマオイルを授乳が終わるたびに身体に塗ったり、香ったり.
授乳の慣れない姿勢で硬くなった首肩を、ホットタオルやゆたぽんなどで温めりした。
毎日、その日1日をなんとかやり過ごすことで必死だった。
蓮坊のお世話が大変だと感じたことはあまりない。
大変は大変だったが、極めて単調で同じことの繰り返しだったからだ。
その分、家族との関係がすごくストレスだった。
そんなこんなで、やっと1カ月が過ぎ、待ちに待った1カ月検診の日となった。
自宅近くの産院で検診を受け、帰りはそのまま自宅に戻った。
これから、夫婦と蓮坊、家族3人での生活が始まる。
実家にいたほうが何かとラクだということは分かっていた。
だけど、もう実家での生活は限界だった。
きっとさらに大変になるだろう家族3人での生活だったが、環境が変わることに密かに胸をおどらせていた。
だけど、待っていたのはいわゆる、産後クライシス、産後うつという寂しく孤独な日々だった。
産後うつレポ2 自宅編 に続く。