★東京・50代・会社員・女性★
この物語を楽しく、そして、楽しみに読みました。
人間誰しも、心に引っかかってどうしても抜けない、
頭にこびりついて離れない。
たとえて言えば、コップに新しいお茶を注いでも、
溢れても、染み付いた茶渋のように残ってしまう
「何か」を抱えていたりするものだろう。
けれど、茶渋を流す漂白剤のように、
真っ白になってキラキラと輝くコップのように、
人との出会い、
たったひとつのキッカケで自分に染み付いた
流したくても流れなかったものが流れてゆく。
新品のコップのように
生まれ変わり輝いていける、
さらに、経験という深みも加わり、
とても香ばしく味わいの深いお茶を飲めるようになる時がくる。
そんなふうに感じさせてくれる一冊。
テーマは身近。
人間がたわいのない気持ちで発する言葉や行動が、
こんなにも他人の人生を翻弄するとは…
また救う事ができるとは…。
言霊・思いやり・絶望・希望・感謝・生命・家族、家族の在り方とは。
人への愛し方とは、人を許すということとは…。
ストーリーに強弱もあり、
テンポ良く進む中で、
重くならずに考えさせられる内容に仕上がっている物語です。