どこの会社にも酒癖の悪い奴や、ケンカ癖のある奴というのが一人や二人います。
嫌ったり、嘆いたりしても解決にならない。
しかし、こういった連中というのは、案外持っていき方によっては味方になって
くれるものです。
憎んではいけない。むしろ愛すべき人たちなのである。
どこの会社でもイベントやら研修会などが催されます。
あるいは忘年会だのクリスマスパーティだの。そういった行事のときになると
普段はおとなしいこれらの人間が悪い癖が出てきてクダをまいたり、因縁つけたり、
ぷちこわしてしまうことが多々あります。
ケンカをしたりして、せっかくの楽しい雰囲気を壊すし、それを力で抑えようと
すると、ますます暴れ出す。
それかといつて「まあまあ」となだめにまわるとまたつけ上がってくるし。
始末の悪いものです。
しかし、それは彼らを敵にまわすからいけないのかな、っと思うんですね。
むしろ彼らを味方として逆用する方が効果的カも知れません。
たとえば旅行のときなど、いつも遅刻する癖のあるヤツを思い切つて引率係にする。
そうすると不思議にちゃんと人よりも早く集まって結構面倒見るものです。
またいつも早くから酒をのんでベロベロになってみんなに迷惑をかけていた人には、
救護係にして逆に酔払いの面倒を見さす。
「いつも俺はこんなふうにして人に迷惑をかけてたのかな」と反省させるにもいい
チャンスかもしれない。
「いやあ、参った、参った。今日は俺、救護係かなんかにされちゃって、
酒もオチオチ飲んでられないんだよ」とぼやきながら、
いつも嫌われものの様に扱われていた自分が、たとえ一時でも、一つの立派な役を
仰せつかったのだからまんざらでもない。
いや一種の誇りのようなものを持つかもしれない。
ケンカ早くて、いつもみんなに嫌がられる男。
こんなのもその他大勢の中においてはダメ。
といってリーダーにするというわけではないが、いわばお目付け役に起用すると面白い。
味方にするとガラリ変わってキリッとしてくるから不思議。
大体そんな連中は多少とも空手だの柔道をやっていて暴れてみたくてしようがない人が多い。
それだけにイベント会場などの整理役員というか、警備係などをやらせれば
張り切って、ヘンな奴をつまみ出したり、見違えるほどの働きをする。
旅行のときなどでも列車内や旅館内を見回ってくれてニラミをきかしてくれるし、
細かいイザコザは大てい片付けてくれるからありがたい。
人間って多少なりともどこかにいいところのあるものだ。
「毒も使いようによっては薬にもなる」とはよくいったものです。
一度や二度、暴れたとか迷惑をかけたからといって、犯人だの罪人のような
烙印を抑してはいけない。
自分だって、迷惑をかけた経験もあるかもしれないし。もっと暖かい気持ちで、
長い目で見てやらなければ可哀想でしょう。
むしろ常習犯こそ模範囚、いやいや、みんなの模範に変身しやすいもの、
一度や二度失敗してもあきらめずに根気よく。
そのかわり、これがうまくいったときは組織でも何でも、
従来のいわゆる平均的優等生とでもいおうか、
小ざかしい、要頷のいい模範社員ではなくて、仕事もバリバリやるし、
リーダーシップも上手にとるもんである。
悪でもいい。やるときにしっかりやってくれさえすれば、
ケジメさえあれば。
しかし、それだけの度量がこちら側にも必要でしょう。
いろいろな種類の人間がいてこそ世の中はうまくいくものである。
トライしてみたら、おもしろいかも。