不倫恋愛が始まったとき


私は思った。




この恋を成就させるには


ふつうの女ではいられない。


100点満点な女にならないと。





彼は既に結婚を経験している。


そんな彼が奥さん以外の女に興味を持つということは


奥さんでは満たせない


求める何かがあるはずだから。


それを全て満たせたとき


彼は私を選ぶはず。





その「何か」を




私はどんどん怪物級に大きくしてしまったんだ。





「何か」を探し求める毎日。


アレコレ試行錯誤。


姿形のないソレを追い求める毎日。


ゴールがないマラソン状態。






私は疲れてしまった。





探せど探せど見つからない答え。








でも今ならわかる。


そもそもその「何か」は





幻想だったんだ。








彼が私を選んだとき


私はまわりまわって


この恋愛を始めた頃の私に







戻っていただけだった。