廊下の椅子で、隣の部屋の患者さんと雑談をしていました。
その方は、昨年胃ガンで胃を全摘出し退院されたそうですが、
今年9月に肺と肝臓にガンが見つかり、再入院されています。
お互いに好き嫌いが多い為か、病院の食事への愚痴になり、
そのうちに、死ぬ前にもう一度食べてみたい物の話になりました。
その方は、すき焼きを思い切り食べたいと話していました。
私は、これと言って思い当たる物が無く、
食生活の貧しさを露呈してしまいました。
自室に戻り、ふと、祖父母や両親はどうだったろうかと思いました。
両親は、突然の脳疾患で入院しているため、
好きな物を食べずに終わっています。
祖母も、長期の入院生活でしたので、
自分の好きな物は食べられずに終わっています。
唯一祖父だけが、亡くなる前夜に、一升酒を飲んでいるので、
思い残す物はなかったろうと思います。
もう一度、何か食べてみたい物を考えてみましたが、
やはり何も思い浮かびません。
余り物を美味しいと思って食べていなかった事を、
再認識してしまいました。
唯一想い出すのは、
子供の頃に祖父が作ってくれた「だし巻きたまご」だけです。
皆さんは、
死ぬ前までに、もう一度食べてみたい物がありますか?