約1ヶ月、長けりゃ2ヶ月空く調停。
たまに宿題が出る。
経緯を時系列で書いてとか
今後どうしたいのか思いをまとめろとか…。

それを書き出しながらのデートがほとんどだった。

私が調停を勧めたのは、
自分たちの将来だけではない。
汗水垂らして働いて、
自分の手元には一銭も入ってこない。
何のために働いてるのか?
大元の原因がどちらにあるのか、
それはお互い擦り付け合いだから、
ほんとの理由はわからないけど、
社会人として、
人間として、
生きてる意味が感じれなかった。


書き出しながら
夫婦関係が破綻した経緯などを考える。
改めて私はこの人を幸せにしたい!と
強く思うようになる。

調停中、私は話がスムーズにいくよう
祈る気持ちでいた。
開始時間から2時間くらいした頃
牛さんから着信。
「はぁ、疲れたー。話が全く通じひん。
現状維持ばっかり。」
現状維持とは、ザックリ言うと
別居のまま、お金は今まで通り鬼子の管理。

働かず、月40近くのお金が入る生活。
こんなおいしい事はない。
鬼子はよほど牛さんに恨みでもあるのか?
というくらい、自分の都合の良い話を出してくる。

これは、そう簡単には話は解決しないだろうと
感じた。

私は「ひとまずお疲れ様やったなぁ。姿は見ず?」
牛さん「それが、少し前を歩いてた、3人で。」
私「3人?まさか子供連れ?」
牛さん「そうみたい。二人ともでっかい体格
してて、ビックリした。」

それもそのはず。
1人目3歳、2人目1歳半までしか見てないから。
牛さんに似てデカい体格になっていたらしい。

でも、なぜ平日にわざわざ一緒に来る?
学校休ませてわざわざ出てきたとか?

ナゾ…。
様々な手続きが始まり、
いざ、調停が始まった。

鬼子は当時15.16の息子を連れてきてたらしい。
当人同士の対面は無いので、調停員から状況を聞かされる。

1回目調停…
調停員は年のいったおじさんと中年女性。
牛さん控え室、調停室、鬼子控え室に別れていて
調停室を出たり入ったりを繰り返す。
声は聞こえないらしい。

こちらの意見から始まった。
鬼子に伝え、鬼子の意見を聞く。
調停員が夫婦喧嘩中の2人の真ん中に入り
「奥様はこう言われてます」
「ご主人がこう言われました」
と意見を伝えあっている印象。
伝書鳩のようなもの。
時々、感情が見え隠れする。

この時、正直何ていう簡単な仕事だと
思ってしまった。
感情移入してはいけない仕事。
調停員は離婚など薦める仕事ではなく
2人が円滑に、なんなら元の生活に戻れるよう
助言する立場だと言われたそうだ。

そんなお節介はいらない。
ただただ、今の状況に終止符をうちたいだけ。

何度かやりとりを続け、その日は終わった。