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日本人でこの映画を知らない人っていないんじゃないかってくらい有名な作品である。


良くも悪くも日本映画に与えた影響は大きいと思う。
同じキャストでこれだけ続いたってことでギネスブックにも載ってるらしい。
ギネスブックにのったってことで確か外国の記者が集まって記者会見していた記憶がある。


一番覚えているのは「これだけシリーズを続ける意味があるのか?」って質問だった。
残念ながら、山田洋二がそれに対してどう答えたかは忘れちゃったけど、その質問のインパクトは
私には結構大きかった。日本人は、絶対公の場でそんな質問は出さないし、続くのが当たり前みたい
な感覚になっていた。毎年正月が間違いなくくるように、毎年正月と盆には寅さん映画が上映される
ってのが当たり前のことになっていたと思う。


私の家庭には寅さん映画がかなり、当たり前の様にしみ込んでいた。
私の両親は結構厳しかった。当時小学生の私には夜8時以降テレビは一切見せてくれなかった。


しかし「男はつらいよ」がテレビで放映される時だけは例外だった。夜9時からという私にとっては
テレビを見てはいけない時間に堂々と両親と一緒にテレビを見ても許される唯一の時だった。


もう、その状況だけで私はわくわくしていた。そういう理由で私は、テレビで「男はつらいよ」
が放映されるのが待ち遠しかった記憶がある。


映画っていうものは、脚本や映像そのものの面白さっていうのはもちろん重要だと思うけど、
観る側のその時の心理状況や置かれている環境によっても全然受ける印象っていうものは
違うと思う。


もしかしたら「男はつらいよ」という映画は、作品的にはマンネリだし単調ということもあって
面白くないのかもしれない。しかし、私は画面の中で寅さん、さくら、おいちゃん、たこ社長
がいつもの調子で騒いでいるのを観ると、昔わくわくしながら両親と一緒に画面を食い入る様に
観ていた自分に戻ってしまう。


だから、私はこの「男はつらいよ」という作品が大好きだ。