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市川昆の映画です。
もう30年以上も前の映画です。

主演の萩原健一、小倉一郎、尾藤イサオがすんごい若いです。

江戸時代の流れ者3人の話なんだけど、とにかくこの映画はリアリティを追求しています。
流れ者の仁義の切り方一つにしても、非常に丁寧に見せています。

それ以外にも、小道具一つ一つがすごい生活観にあふれています。


何よりも、私が一番リアリティを感じたのは、喧嘩のシーンです。改めて刀というものは
少しでも触れたら、皮膚が裂け血管にまで達し、下手をすれば命まで落としてしまう。
そういう道具なんだと実感させられます。


この映画には、剣豪は出てきません。みんな刀の振り方もめちゃくちゃです。
それ故に、凄いリアリティがあって怖いです。


暴れん坊将軍は絶対敵に切り殺されることはありません。見ている方はそれがわかっているから
安心して見ていられます。


しかし、この映画の主人公はいつ切られてもおかしくありません。一宿一飯の恩を返す為
成り行き上盗賊と切りあいます。見ているこちらにまで、主人公達の吐きそうなまでの緊張が
伝わってきます。


どんな人間もこの世に生まれてきた限りには、生きていかなければなりません。
普通の人間として普通の生活を送るってことも実はすごい大変なことなんだよな~っと
しみじみ思いました。