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私が「中島らも」を知ったのは、中学の時にたまたま聞いた深夜ラジオだった。

眠れない日曜日の深夜2時過ぎ、FMラジオのチャンネルを何気にひねると
眠そうにしゃべるオッサンの声が聞こえて来た。
それが「中島らも」だった。

それは「眠れるラジオ」という番組で「中島らも」「若木えふ」を初めとした
劇団リリパットアーミーの団員が出演していた番組だった。

基本的には、若木えふが司会でアシスタントが劇団員というトーク番組だった。
では、中島らもはどういう役割かというとラジオを聴いている人を眠らせるという役割だった。

突然、哲学書を延々読み出したり、薬の説明書を延々読み出したり、他の人が話している後ろ
で延々インドの楽器を演奏し続けたりしていたのである。

当時中学生の私は、このおっさんの言動にカルチャーショックを受けたものである・・・

その番組は、やはりというか、当然というか一年続くか続かないかで終わってしまった。

その後は、特に「中島らも」に触れる事なく私の人生は、年月を重ねていったのだが、今の嫁さん
と出会ってから再び「中島らも」に接することになった。

嫁さん(と言ってもその時は結婚前だったので、彼女なのだが)は、本が好きだった。
いろんな本を読んでいて、その中で私の知ってる小説家が「中島らも」だった。

何気に「中島らも」の「人体模型の夜」を結婚前の嫁さんに借りて読んでみた。
・・・面白かった。あんな訳のわからんオッサンが小説なんて書けるんやろうかと
思っていたら凄い面白かった。

後で知ったのだが、「中島らも」ってむちゃくちゃ頭がいい学校出てたんやね・・・
全然そんな所を感じさせない、あの雰囲気が凄いと思った。

それ以来「中島らも」に興味を持つようになり、エッセイや小説やちょこちょこ読むようになった。
このおっさんが「アル中」やったことも「重度のうつ病」やったことも「かなりの薬中」やったことも
知れば知るほどこのおっさんに興味を持つようになった。

この、おっさんの人生観や考え方一つ一つに興味を持った。
真似は出来ないししようとも思わないけど・・・。
このおっさんの生き方は、凄いと思った。一周して仙人の域まで達してたんやないやろうか・・・

絶対、「うつ」か「薬」で死ぬと思ってたけど、まさか転落死とはね・・・

ま~このおっさんらしい死に方と言えば死に方かもしれない。