母の葬儀が終わって、さあ帰ろうと言う日のこと。


抗ガン剤の副作用の味覚障害に襲われて、

東京駅で食べた昼食も味はわからず。


それどころか、その後食欲は一切無くなって、

自宅に戻っても夕飯は食べられずで、

夫がセブンで買ってくれた、凍った角切りのマンゴーを

3かけらほど食べたところで座ってもいられなくなり

そのまま布団に入ったよ。


何となく熱がある様な気がしたけど、体調悪くて

体温計を探し出せず、夫に訊いてもわからないと言うしで

無理矢理寝たのだけど、翌日曜日もどうにも体調悪くて、

こりゃ絶対に熱があると思ったので、午前中に夫に

体温計を買って来て貰い、計ったら38度5分。


午後からも熱が下がらないので救急で診て貰って

血液検査では白血球が700で、風邪の症状もあったので

即入院になっちゃった。


いや~、初めてだったよ。

「こりゃもしかして本当に死んじゃうかも」と思ったのは。

とにかくやばい体調だった。


感染対策のために個室になったんだけど、

その日からちょうど髪がバサバサ抜け始めて、

部屋中髪の毛だらけになっちゃった。

何か、個室で良かった・・って思ったよ。

同室の人にこんな汚いの見せたら申し訳ない、

ってくらいひどかったからね。


白血球を増やす注射や抗生剤の点滴したりして

3日目くらいだったかなぁ。。


父の声がはっきり聞こえたんだよ。


「おめぇの病気は寝てりゃ治るお~」って。


確かに、寝てりゃ治るのかも?手術も全身麻酔で

寝てるうちに終わるだろうし・・とか思って

姉や妹にその話しをしたんだけどね。


自分では「寝てりゃ治る」なんて夢にも思って無かったし、

本当にお父さんが言ってる様な気もしてね。


そして数時間後・・・


姉が一枚の写真をUPして来たんだ。


父が心臓バイパスの手術をする為に入院してた病院は、

入院患者宛に励ましのメール(だったかな)を送れる様になってたんだけど、

その写真のメールは義兄から父に送られたもので、「寝ているうちに

手術も終わる」と言う一文があっったんだ。


姉に「わざわざ探してくれたんだ」と言うと、

「違うんだよ、わざわざ探したんじゃ無いんだよ」と。


「母の印鑑登録証を返さなくちゃいけないと思って、

それを探してたんだけど、ここかな?と

開けた引き出しにメールの束があって、

開いてみたらこれが一番上にあったんだ」って。


で、「懐かしくて読んでみたら、○○ちゃん(私)がさっき言った様な

一文があったからびっくりしたんだ」って。


確かに、自分の旦那がそう言う内容のメールを送ってたなんて、

もう14年も前のことだから、覚えてるわけないかもね。


父もこのメールはきっと読んだと思うから、

それを思い出して私に教えてくれたのかな?とか、

ちょっと非現実的ではあるけど、それで改めて

「寝てりゃ治るのかも」と少し気が楽になったよ。