国分佐智子さんに触発されて
http://ameblo.jp/kokubu-sachiko/entry-10019186775.html
昨日、ダリ回顧展に行って来ました。
もちろん、ダリという画家の存在と、その極めて
個性的な画風や奇行については知っていました
が、ダリの個人史をまとめて学んだことは今回
が初めてでした。
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ダリ回顧展画集より
「生きている静物(静物-速い動き)」
絵画というものが、観るものに何らかの意味で
感動を与えるために存在するのだとすれば、
絵画の価値は、何の予備知識もなくその絵を
観たときに受ける印象であり、驚きということに
なるのではないでしょうか。
だとすると、絵画を見るのに、その来歴や説明
さらには画家の生涯についての解説まで頭に
入れてしまえば、その絵画の価値が分からなく
なるというパラドクスがあると思います。
もっとも、観る側、つまり絵画を観ている私の方
にも生まれ育ってきた時代経験があり、いわば
見る眼に曇りがあることになります。だから、画
家の個人史を知ることは、観る側の目の曇りを
多少なりとも拭う作業として、必要なのかも知れ
ません。
それはさておき、ダリの個人史や、個人史に重ね
られたダリの作品の数々を見ていくと、画家として
の技量や着想が卓越しているのはもちろんなの
ですが、それ以上にダリとはいたずら好きの少年
であり、プロデューサーであったのではないかと
いう想いにとらわれました。日本でいうならテリー
伊藤さん!
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ダリ回顧展画集より「病める子供」
ダリ18歳頃のこの作品には、薬瓶とスプーン
夏の別荘の光景、籠の鳥に象徴される病弱
だった自分自身といった、ダリの絵画における
生涯のテーマが現れているとして説明されて
いました。でも、私が一番興味を惹かれたのは
少年の爪を尖らせた不気味に細長く伸びた指
でした。
その不気味な指が何を意味しているのかは、
分かりませんが(次の作品には、ダリの故郷の
民族舞踊に合わせて踊る魔女達が描かれてい
ましたが)、少なくとも人を驚かせようとする遊び
心は込められていたでしょう。
その他、立派でお堅い美術展では口がはばか
れたのか、解説では言及されていませんでした
が、女性のクリトリスを象徴する真珠がいたる処
に見られ、女性器そのものが描きこまれた作品
もたくさんありました。これも、人を驚かせようと
いう遊び心が動機のひとつであったことは否定
できないでしょう。
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ダリ回顧展画集より「平均的官僚」
見ようとしないこの人物は、公証人であったダリ
の父親の象徴として解説されていました。
しかし、はたして本当か。
私は、そうした要素もあったとは思いますが、実
は、ダリ自身の内面にある凡庸さへの恐れ、ある
いは性的な臆病を写し取ったのではないかな、と
いう気がしました。
そうした恐れと臆病を感じ取り、しかも、それらを
優しく包んで勇気付け、その上で励ますという最
高のセラピーを与えたのが、ダリの生涯の伴侶
ガラ(エレナ・ドゥルビナ・ディアゴノフ)だったんだ
と思います。
実は、「平均的官僚」が描かれた3年後に描かれ
た「カップル」と題されたドローイングが展示されて
おり、そこには「平均的官僚」とそっくりな、頭の中
に化石がつまって俯いた人物像が、小柄な女性を
ものにしようとしている姿が描かれていたのです。
ガラも小柄な女性だった・・・のです。
また、ダリは裕福な家庭に生まれて病弱な少年。
愛情いっぱいに育てられ、様々な画家について勉
強した、愛情のオブラートで甘く味付けられた常識
に縛られた真面目な少年だったと思うからです。
ファムファタル。運命の女性。ガラは間違いなくダリ
のファムファタルだったんだと思います。ファムファ
タルは必ずしも、魅入られた男性を破滅させるもの
とは限らないようです。(浮気はずい分なされたみ
たいですが(笑))
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ダリ回顧展画集より
「新人類の誕生を見つめる地政学の子供」
それまでの人類を超越する新人類は、ナチス
ドイツが信じた旧大陸にあるドイツではなく、ア
メリカで生まれる・・・。
ダリは、アメリカにわたりハリウッドでヒッチコック
監督の作品にもかかわるなど様々な活動をして
います。
この点、アインシュタインもダリも、あるいは野口
英世も、アメリカで活躍しアメリカを賛美した者は
偉人として祭り上げられる・・・そんな寂しさも感じ
ました。
ダリ展のお土産に「東京たまご」(おまんじゅう)は
ねえだろって、笑ってしまったけど、それにしても
凄いダリグッズの数々でした。
それもダリらしいかもね。





