| 尿の状態を観察する |
おしっこの状態を観察したことはありますか?
尿は健康状態の影響を受けやすいため、体調によって含有物質が変わり、色や臭い、量が変化します。とくに体に異常がある場合は、尿の状態も変わりやすくなります。
早期発見・早期治療が大切な糖尿病や腎臓病などの予防に、自宅での尿チェックを今日から始めませんか?
・色
尿の色は、飲んだ水分の量や発汗状態、飲酒、ビタミン剤、服薬、食事の影響で変化しやすく、毎回の色の変化はあまり気にしなくても大丈夫です。
健康な尿の色は、淡黄色~黄褐色で透明です。水分を多く摂取すると淡い色になることがあり、ビタミン剤などを摂取すると黄色が濃くなる場合がありますが、これは一時的なものなので心配ありません。
色の濃い尿が続く場合は、肝臓や胆のうの病気の可能性があります。赤や赤褐色(血尿)が出る場合は、尿路のどこかに疾患がある可能性があります。また稀に、肝炎が原因で腎臓の機能が悪化し、尿の色が赤くなることも。女性は、月経時に経血が交ることがあります。
・臭い
アンモニアを含むため、やや酸っぱい臭いがありますが、基本的にはあまり強くありません。
尿の色が濃くなると、臭いも強くなる傾向があります。健康なのに尿の臭いが強い場合は、体内の水分が不足している可能性があるので、水分をしっかり摂るように心がけてください。
また、食べ物や飲み物、薬によっても臭いは変化するため、きつい臭いが何日も継続しなければ問題ないでしょう。糖尿病の人は、血糖値をうまくコントロールできていないと、甘酸っぱい臭いがすることがあります。
また、いつもとは違う悪臭がする場合は、尿路で化膿性や炎症性の疾患がある可能性が考えられます。この場合は、同時に尿が濁ったり、痛みを伴ったりすることがあります。
・濁り
尿は本来透明なものです。尿が白く濁っているときは、尿路に炎症が起こっている場合があります。
飲食物の影響や、体調不良が原因であれば、大きな問題にはなりませんが、膿が原因の場合は要注意です。尿路で炎症性または化膿性の疾患があるかもしれません。
この場合は、排尿痛、発熱、腹痛などをともない、ある程度長期にわたることがありますので、早めに病院へ行きましょう。妊娠中も尿が濁りやすくなります。膀胱炎にもなりやすいので、水分をしっかり摂って、排泄を促すようにしましょう。
また、濁ってはいなくても、尿の中に白い浮遊物が漂う場合もあります。ドロッとしたまとまりのある白い浮遊物は、女性なら生理的なものなので、とくに心配ありません。しかし、糸くずのようにまとまりがない浮遊物がある場合は、炎症が起こっている恐れがあります。
・量
大人の1日の尿量は約1~2リットル。回数にすると5~8回ぐらいが一般的です。食べ物や飲み物、運動量や発汗量などによって、変化しやすいため、細かく気にする必要はありません。
ただし、気をつけなければならないのは糖尿病の場合です。のどの渇きを覚えると同時に尿の量が増えるので、水分を摂取しすぎていないのに量が増えた場合は気をつけましょう。
| 尿からわかる疾患 |
・頻尿
大量に水分を摂ったわけではないのに1日の排尿回数が10回以上あるようなら、膀胱炎や前立腺炎、前立腺肥大症膀胱結石などの可能性が。妊娠、子宮筋腫、卵巣のう腫などでも起こる場合があります。
・乏尿
尿の量が極端に減ったら、腎臓病が疑われます。尿路結石になると、まったく出なくなることもありますので、尿の出が悪くなったと感じたら、早めに医師の診察を受けましょう。
・血尿
激しい運動後や月経時以外で、尿に血が混じっているときは、尿路系の炎症や腫瘍、結石の可能性があります。
・残尿感
膀胱や尿道に炎症が起こっているかもしれません。また、加齢も残尿感の原因になるとされています。男性の場合は前立腺に異常があるケースも考えられます。
・排尿痛
排尿時に痛みをともなうようであれば、尿道炎、膀胱炎、前立腺炎の可能性があります。痛みは体が異常を知らせるサインです。早めに医師の診察を受けましょう。
| 自分でできる尿検査試験紙 |
市販の尿検査試験紙は、つぎの4種類が手に入りやすいようです。
測定項目が4種類以上の試験紙もありますが最低購入が100枚になります。
自宅で気軽に経過観察ができることにより、ご自分の健康管理に役立ちます。
(1)尿糖
(2)尿糖とケトン
(3)尿糖と尿たんぱく
(4)尿糖、尿たんぱくおよび潜血
【参考:尿検査の結果】
1.尿の色[正常値:淡黄色あるいは麦わら黄色]
水分摂取量に応じて多少濃い薄いはありますが、淡黄色です。
黄褐色-ちょっと濃い色はビリルビン尿の可能性もあります。ビタミン剤を飲むと黄色くなることもあります
赤色-尿に血液が混じると尿が赤く見えます。
2.臭気[正常:わずかな特有な芳香臭]
アンモニア臭が強い場合は細菌尿が考えられます。アルコールやアスパラガスなど飲食によっても特有な臭いがします。これは腎臓が一生懸命働いて不必要な成分を体外に早く出そうとするためで異常ではありません。芳香臭のあるときはアミノ酸代謝異常の可能性があります。
3.尿蛋白[正常値:陰性(-)]
腎前性-腎尿路系以外の疾患によって蛋白が陽性になる場合で、心不全、甲状腺機能亢進症、貧血などがあります。
腎性-腎臓そのものの障害による場合で、糸球体を中心とした腎疾患などです。
腎後性-腎臓以外の膀胱や尿道などの尿路系の結石・腫瘍などがあります。
4.尿糖[正常値:陰性(-)]
糖尿病で陽性になることが多いのですが、過食やストレス、妊娠などによる生理的な尿糖陽性もあるので、陽性だからといって必ずしも糖尿病とは限りません。
5.ケトン体[正常値:陰性(-)]
糖尿病や食べ物が食べられないときに糖の代わりのエネルギー源として脂肪の分解が促進され、その結果としてケトン体が増えて、陽性になります。
糖尿病のコントロールの指標とすることが多い検査です。小児では嘔吐、下痢などで陽性になります。
6.ビリルビン[正常値:陰性(-)]
ビリルビンは肝臓で作られる胆汁色素の主成分で生成や排出の異常により尿中に排泄され陽性になります。
肝細胞性黄疸や閉塞性黄疸などで陽性になります。
7.ウロビリノーゲン[正常値:Normal(±)]
ウロビリノーゲンはビリルビンが腸で還元されつくられるので、ビリルビンと同様肝臓や胆道系の異常で陽性になります。
溶血性黄疸や肝細胞性黄疸などで増加します。
8.潜血[正常値:陰性(-)]
尿中に赤血球あるいは壊れた赤血球がでていると陽性になります。
血尿(尿路系の出血)-炎症、異物、腫瘍などにより出血している場合陽性になります。
腎臓から出血する糸球体性疾患など腎臓の障害がある場合も陽性になります。
ヘモグロビン尿-血管中で赤血球がこわれた場合、尿中に出できます。
ミオグロビン尿-筋肉の障害・壊死で血中にミオグロビンが増加し、尿中に出ます。
9.亜硝酸塩[正常値:陰性(-)]
細菌の硝酸塩を還元する能力を利用し、細菌尿かどうかを調べる検査です。硝酸塩還元能のある細菌(大腸菌や腸球菌など)がある程度膀胱内で増殖した場合に陽性になります。
尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)が最も考えられます。
【家庭での尿検査】に関心のある方はつぎのHPを参照してください。
テルモヘルスケア情報局 家庭での尿検査のすすめ