妹の部屋に行くと
何かを感じたのか
妹はすでに起きて
病室に向かうところだった。
「母さんがケイレン起こした」
とわたしが言い終わる前に
妹は病室へ走り出した。
母の病室に着くと
ケイレンはおさまって
次に呼吸が止まった。
延命措置はしないでいいと
妹が医師に告げていたので
駆けつけてくれた看護師さんも
ただ見守るだけで何もしない
次の瞬間
妹が母の心臓マッサージを
しだした。
とても黙って見てられなかった
のだろう。
わたしは何も出来なかったが
母は必ず回復すると
強く信じてそれを見つめていた。
ほどなく母が息を吹き返した。