病院の消灯時間が近くなり

わたしと妹だけが残り

皆、妹の家に帰って行った。



妹が部屋を借りたから

そこで少し休むといいと

勧めてくれたが

母の元を離れる気になれず




わたしは簡易ベットを借りて

母に付き添うことにした。

付き添うと言っても

何もしてあげられる事は

無いのだが




ずっと一緒に暮らしてきて

前日病院に残してきた母が

気になって夜中に何度も

目を覚ましたので



今夜はすぐそばに居ようと

思った。

妹に部屋で休んでもらうようにした。



正直に言えば

病院で借りた部屋は

ホテルのような部屋で

快適に過ごせそうだったが




臆病なわたしは

とてもそこで眠れそうにはない

と思ったのもある



夜中介護士さん、看護師さん

妹が様子を見に来てくれた。

母は呼吸も安定して

とても穏やかだった。



ここにわたしは何泊すれば

母の容体は安定するかな

と思っていた

明け方5時近くに



それは突然起きた。



母がケイレンを起こし

ベットが揺れ出した。

わたしは慌てて

ナースコールを押した。



ケイレンしている母は

もう母では無いようで

直視出来なかった。




母の病室はナースセンターから

1番近い部屋だったので

看護師さんがすぐ駆けつけてくれた。



部屋で仮眠を取っている妹を

すぐ連れて来るように言われた。



ドキドキしながら

病院の廊下を妹を呼びに走った。