妹家族が着替えを取りに行って

わたしが寂しく無いように

叔母といとこは帰らずに

2時間くらい滞在してくれた。




その優しさが嬉しかった。

叔母は最後までしっかりとした

様子で気丈にいてくれた。



いよいよ、姪や甥を空港へ迎えに

行く時間になった。



北海道の冬の日暮れは早く

16時には日が沈む

辺りはすっかり暗い夜道を

空港まで走らせた。



2人は予定の時間より

早く到着出来たらしく

すでに着いて




何も食べていないだろうからと

たくさんのお弁当や

おにぎりを買っておいてくれた




車に乗り病院までの道すがら

甥っ子が




なんであの時

母さんに会わないで東京に

帰ってしまったのだろうと

つぶやいた。




そう最後に会ったのは

1ヶ月少し前

季節外れの夏休みをもらい

皆で温泉に行った。




母が

今日、樹(甥っ子)が東京に

帰る前に寄るって

と嬉しそうにしていた。




わたしはそれを聞いて

いつでもご飯が食べられるように

用意していたのに

結局その日樹は現れなかった。





母が来なかったねと

少し寂しそうに呟いた。




それを甥っ子は後悔していた。

来るつもりだったのに

寄り道したお店で時間がかかり

結局、寄らずに帰ったけど

年末にはまた会えると

思っていたらしい。



そう、甥っ子は

おばあちゃん子だった。

母の日

自分の母親には何もしなくても

母さんには

お花をプレゼントしたり

母の言うことはいつも素直に聞き




母の病院への送り迎えも

こちらに居た時は

全て行ってくれていた。





そんな樹を母もとても

可愛がっていた。





後悔先に立たず

今日、今、瞬間を大事に

しなくては

いけないという

意味なのかなと

ぼんやり考えていた。





でも、きっと母さんは元気になる!

そう頭の中で唱えながら

病院までの道のりを

急ぎ車を走らせた。