母は歩くのも
ままならないように



支えがないと
すぐ倒れてしまう



倒れたら
起き上がらせるのは
至難の業だった



息子が居れば
助けを借りるが
2人がかりでも



どこに力を入れていいのか
わからずに
自分達の
腰を痛めることも




電動ベットを購入し
落ちないように
柵はあるが



全体を囲うような
柵では無いので



トイレに行こうと
起き上がり
倒れたり



体が痛くて
寝返りをうち
柵の隙間から
落ちてしまったり



気がつくと
足にむらさき色の
大きなあざが
出来てしまい



それはなかなか
消えることはなかった。



週末には
泊まりこんで介護を
手伝ってくれる妹に



こんなの見せたら
絶対に虐待を疑われると
あせって




指摘される前に
自分からアザのことを
打ち明けた。



でもそんな心配は
いらなかった。



「うん、わかるよ」と
全て説明しなくても
どういう状況か
理解してくれていた。



逆によくやってると
ねぎらってくれた。



こんな状態の母の
下着をこまめに変えて
キレイにしてあげてるから
エライよね。って




夢中だったので
それが当たり前と
思っていたが
褒められて
嬉しかった。



まだまだ頑張れる
気がしていたが


わたしの介護生活は
終わりが近づいていたのを



この時は想像すら
してなかった。