母の意識障害は
日々悪化して
全てと言っていいほど
介護が必要になった



これだけ便利な世の中においても
未経験の介護については
何をどうすればいいのか
わからないことだらけ


情報を取るにしても
何が欲しいのか
何がいらないのか
判断がつかないから


いちいち右往左往する。

一番苦労したのは
やはりトイレだった。


一応トイレに行くという
行動はするのだが
そのタイミングは全く
合っていない


だからトイレ介助して
母を無事にベットに
横になってもらい
安全を確認したら


素早くトイレ掃除や
汚した衣類を洗うを
1日に何度もくり返した


トイレを出ると
外にタバコを吸いに行くのが
定番だったが


外に出ると母は
もうタバコを吸いにきたことすら
わからなくなって
ただそこにたたずんでいた。


タバコを吸わない私が
慣れない手つきで
タバコを渡し
火をつけてあげると


「あっ、ありがとうございます」と
ニッコリ笑う母


1日で笑顔はこの時しか見えない


そして晴れて気持ちのいい日も
「なんだか変な天気だね」と
必ず言う



母の目にはあの時どんな空が
広がっていたのだろう