朝起きると違和感が

2階で寝ているわたしが
起きて1階に下りると


いつもなら母が起きて
テレビをつけて
コーヒーを淹れてくれていた


もうしばらくそんな朝を
忘れていた
1週間位前から朝もずっと
寝たきりだった。


だけどその朝はトイレの
ドアが開いたまま
用を足して流すことも
されてない


母はわたしが一緒に入り介助する
トイレの付き添いを嫌がったので
無理に一緒に入らず
ちょっと離れて様子を見て


母のプライドを尊重したつもり
だった。


しかしいよいよその時がきた。
居間で朝ごはんを用意して
母が食べるのを手伝っていたら
急に立ち上がりトイレに向かったが


トイレまでの短い道のりで
いわゆる垂れ流し状態で
廊下は大惨事


はいていたはずの紙パンツも
いつ脱いだのかはいてなかった 


とうとうその時がきたかと
当たり前のように
母のトイレに付き添い
用意して置いた
おしりふきで優しく拭いてあげると
もう抵抗したり
拒絶することもなかった。



すぐに新しい紙パンツに取り替えて
上の下着も汚していたので
着替えを取りにちょっとだけ
離れた隙に


紙パンツだけの姿のまま
雪が降りそうな、寒い日に
外にタバコを吸いに行こうと
していた。


慌てて引き止めると
「いいんだって」と
わたしの手を振り切り
そのまま玄関のドアを
開こうとしたので


わたしは母を抱き抱えて
上着を着せなんとか
ご近所に醜態を見せずに
済んだが


抱き抱えられるほど
軽くなった母に驚いた。


そのときから
母から目を離せなく
なりました。