セカンドオピニオンを終えて
家に帰ると母は化粧も落とさず
ベットに横になった


わたしは整形外科へ切れていた
痛み止めをもらいに行った


「今回だけは処方しますが次回は
必ず本人が診察を受けて下さいね」
そう言われ約束してきたが
約束は守れず、薬も大量に残っている。


そんなことになるとは想像出来なかった。


夕食は食欲の無い母の好物を
用意するようにした。


ホタテのお刺身が好きで
食べたいと言ったので
すぐに買い物に行き用意した


いつもならパクパクと
ほとんど独り占めするくらい
食べていたのにこの日は
「美味しくない」と
ほとんど食べなかった。




海鮮が好きな母のため
翌日はお寿司を用意したが
一つだけ食べて
もういらないとベットへ
行ってしまった。



あとで考えるとこの頃から
味覚がおかしくなって
塩分のあるものを極端に
食べなくなった。



でもわたしは一時的なものだろうと
あまり気にせずに
H病院へ検査入院するための準備に
追われていた。



その少し前に母が
「入院なんてしたくない、もう思い残す
ことなんてないからこのまま死んでも
いいんだよね」と言ったのを


妹と二人でとんでもないと
はなから否定して
もっとしっかりして
病気は治るって信じてと


母の不安や苦しみに寄り添うこともせず
自分達の考えが正しいのだと
聞く耳を持たなかったことを
今も激しく後悔している


あの時、もっともっと話を
するべきだった。
母の気持ちを吐き出して
もらえば良かった。


もっと母に寄り添う優しい気持ちを
なぜ持てなかったのだろう


今、もし同じ境遇にいる人には
必ず伝えたい


もっと心に寄り添ってあげてと


そして母は入院の3日前に
精神的に壊れてしまった。