診察室では見た目から優しそうな
医師が座っていた。


受付で渡した紹介状の内容を
全て把握されており


今の母や私達家族の不安も
伝わっていたので何も説明しなくて
よかった。


ただ、病院での対応については
かなり事実と違った。

今まで母を診察してくれた病院を
以下H病院とする。


H病院では今回の入院にて
母の体の状態を隅々まで検査して


何が一番良い治療方法なのかを
決める検査入院であること


あくまで抗がん剤治療も
その治療方法の一つである事


そして驚いたことにこの時初めて
母の病名が教えられた


慢性骨髄性白血病ではなく
慢性骨髄単球性白血病で


単球性となるとその治療方法も
狭まるので抗がん剤治療を
勧めたがあくまで治療方法を
選ぶのは患者と家族の同意が
必要であるので必ず相談して


納得してもらった上で治療していく
と紹介状にあるので安心して


また北海道では一番血液内科で
実績を積まれた病院なので
H病院を信頼して治療をされるといい


そして一番最初にH病院で母に
上からモノを言うI医師は
今回担当してくれたS医師の
師匠にあたる先生で



年齢的に今では通用しない

先生は偉いから患者は黙って
言うことをきいて
治療に専念すればいい


という古い考え方を持っている
ところが少なからずある人だが


お母様の入院に関しては
担当医にはならないから
そこも安心していいと思う


という話を聞いて私達は
H病院で検査入院をして
母にとって最善の治療方法を
しっかり吟味した上で決めて行こう
とちょっとスッキリした
気持ちで帰路に着いた


帰りに母のリクエストの
ラーメンは忘れずに食べた
でも母は食べ切れず残していた
食欲は食べたかったはずの
ラーメンでも戻らなかった。


そしてこの日高熱があった母を
診察もせずに話だけを聞いて
帰って来てしまったことを
あとで激しく後悔することになった。



続きはまた