おはようございます。
城下町金沢の行政書士、
夢実現サポーターの きはらなおみ です。

連日のコロナのニュースで埋もれ感が半端ないですが、一昨日から「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。

自筆で書いた遺言書を遺言保管所(法務局)が預かってくれる、という制度です。

遺言書には、
・公正証書遺言
・自筆証書遺言
(秘密証書遺言というのもありますが、ここでは割愛)
があります。

自筆証書遺言は、法改正で目録部分はパソコン等で作成してもOK、ということになりましたが、
基本、全文を手書きしないといけません。

一字でも間違えたら、初めから書き直さないといけなくなるかもしれません。(加除修正の方式はありますが、方式に則ってやらないと、加除修正してないものとみなされてしまう。なので、間違えたら、書き直すのが手っ取り早いかと。)

なんとか間違えなく、本文が書けたとしても、遺言書そのものの方式が間違ってたら、せっかく書いても無効になってしまうかもしれません。

また、自筆証書は、大抵自宅に保管されると思うので、紛失したり、相続人によって改ざんされたり廃棄されたりってことがないとも限りません。

公的機関に預けることで、それらの心配はなくなります。
その点では、相続を巡る争いが減ることも期待できそうです。

方式が正しいかどうかも確認してもらえるので、少なくとも、遺言書の方式が違っていたために無効になってしまう、ということは避けられます。

そして、普通、自筆証書遺言書は、裁判所で検認してもらわないといけませんが、法務局に預けた遺言書は、検認の必要がありません。
その点でも、相続手続きがスムーズに進めることができそうです。

ただ、方式が正しいがどうかは確認してもらえますが、内容の適正までは見てもらえません。
極端な話、形さえ整っていれば、中身がどのようであれ、受け付けてもらえちゃいます。
せっかく預けた遺言書なのに、内容が不適正であるために、「争族」になってしまったら、本末転倒ですね。

手数料も3900円ほどで、一度預けたらそれ以外お金もかかりません。
公正証書遺言を作るのに比べたら、ずいぶん割安です。

手軽な(と言えるかどうかはわかりませんが)自筆証書遺言の欠点を補うことのできる制度ができたことは喜ばしいこと。

とはいえ、公正証書遺言と自筆証書遺言、どちらがいい?と聞かれたら、個人的には公正証書を推したいです。

あ、別にこの制度の手続きに、行政書士が関われないからじゃあないですよ。(手続きはできませんが、遺言書作成のサポートはできますよ。)

何というか、内容の適不適が蓋を開けないとわからないという危うさを感じるので。

とはいえどちらがいいかは、その人が選べばいいだけのこと。
何のために遺言書を書くのか。
それが大事では、と考えます。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

相続サポート、遺言書作成