「人口が増えれば経済が良くなる」

そう信じている人が、今でもたくさんいます。

けれど、それは本当でしょうか。


中国やインドを見れば分かります。

世界でもっとも人口が多い国でありながら、

豊かさを感じている人はごく一部です。

多くの人々はいまだ貧しさの中にいて、

若者たちは学んでも、働く場を見つけられない。

中国では大学を出ても半分が就職できないと言われ、

インドではいまだに社会的な差別が根強く残っています。


人口の多さは、豊かさを約束しません。

経済の強さとは、「どれだけ人がいるか」ではなく、

「一人ひとりがどんな力を発揮できるか」で決まるのです。


技術が進み、AIやロボット、自動運転が人の仕事を奪い始めた今、

“数”ではなく“質”が問われる時代に入っています。

人の心や感性、創造力や思いやり——

それこそが、人間にしか生み出せない価値です。


それでも今の日本は、

「少子化だから」「労働力が足りないから」と言って、

移民の受け入れを進めようとしています。

けれど、肝心の少子化対策には本気で取り組もうとしない。

若者が子どもを産み育てたいと思えない社会を放置したまま、

税金と物価だけが上がっていく。

これでは本末転倒です。


豊かさとは、人口の多さではなく、

人が希望を持って生きられる社会のこと。

子どもを育てたいと思える温かい環境、

働く人が報われる仕組み、

老いても安心して暮らせる制度。

それを整えることが、本当の「経済成長」ではないでしょうか。


もし国が、ただ「数」を埋めるために人を入れ替えようとしているのなら、

私たちは静かに立ち止まり、問い直す必要があります。

この国の未来は、“誰のため”のものなのか。

文化や伝統、そして日本という共同体を守るために、

本当に必要なのは何なのか。


国の豊かさとは、お金でも人口でもありません。

それは、人の心にある「誇り」と「思いやり」です。

人が人を支え、学び合い、分かち合える社会。

そこにこそ、本当の繁栄があります。


これからの時代、私たちは数を競う必要はありません。

大切なのは、「どれだけ人を大切にできる社会を築けるか」。

それが、未来の日本のかたちであり、

人類全体が目指すべき道ではないでしょうか。

希望が小さく見える時代でも、

私たちは選ぶことができます。

「数に頼る国」ではなく、

「心で支え合う国」を。