多角的に伝える事の難しさ | よねちゃんのつれづれ便り

多角的に伝える事の難しさ

今日、先週資料を送信したテレビ局制作担当者との話し合い。

今年に入り、熊本に高齢者や身体の不自由な人でも参加出来るようなツアーを企画する旅行代理店が出来た。


その事自体は何の問題もなく、むしろ、これまで旅行したくても出来なかった人達も旅行に参加出来るようになった訳だから、私も含め、当事者として歓迎している。このような動きが県外にも広がってほしいと思っているくらいだ。

民放、NHK含め、旅行の様子をこぞって取材しているが、結論はいつも同じ。参加者の声や喜びの表情を集め、「良かったね」で終わらせ、その奧に潜んでいるホテルのバリアフリールームの少なさや県内の宿泊施設の現状までは言及していない。

先週、企画提案のため、資料などを整理しているところへ、昨年、バリアフリールーム不正改造問題で話題になったホテルチェーンが駅前に新規開業した。今度は昨年の反省を踏まえましたと言わんばかりにバリアフリールームを作り、テレビカメラも浴室の手すりやトイレのナースコールをアップにしていた。

実際、当事者が使ってみて使いやすいかどうかは判断される。健常者が腰をかがめて使いやすさをカメラに向かってアピールしても、それほど意味をなさない。

完璧な客室を作る事は非常に難しい。設計の段階で、いかに幾度となく、当事者の声に耳を傾けるか、それが大きな鍵となる。

それを含め、私の旅に対する思いを制作担当者に資料と一緒にメールの文章で伝えた。

それを再度、退院後、報道担当者にも文章で伝えてほしいとの依頼を受ける。

取材候補地までこちらである程度選考しなければならない。

県内のホテルなどの対応と、バリアフリールームの使い勝手のチェック、どちらにウエイトを置くべきなのか、どちらも重要な問題だけに頭を悩ませる。

私も制作担当者も答えが出せなかった。

まだ放送されるかどうかさえ分からないが、多角的に伝える事の難しさを感じている。