◇5/11『内山節さん講演会』
5月11日夜、(株)アースカラーの主催で
哲学者・内山節さんの講演会がありました。
とても示唆に富むものでしたのでシャアさせていただきます。。
内山さんは立教大学大学院教授であり、里に住む哲学者でもあります。
まず彼の言葉を紡いだYoutubeをご覧ください。
そのうちのいくつかをご紹介します。
◇ 里には、「人生観」 「自然観」 「死生観」が 沈黙のまま活きている
◇ 一代でつくり出せないものに 人は支えられて ある時代を生きている
◇ 里には「家業」がある 「家業」は使い捨ての労働ではない
◇ 「百姓」とは 百の仕事をする人
◇ 近代人の捨てたもの それは 自分の帰る等身大の世界
◇ 探さないといけないのは 手ごたえのある 「幸福感」
いずれも含蓄のあることばです。
*****************************************************
さて講演会のテーマは、
「東日本大震災をどう捉えるか」と「これからの仕事のあり方」の二つです。
◎ 東日本大震災とは自然の災禍と文明の災禍が複合されたもの
● 自然の災禍 =「地震+津波」
+
● 文明の災禍 =「原発+爆発」
⇒こちらを見直すといっても簡単ではない
◎ 『それでも海とともに生きる』
牡蠣の養殖をしてきた畠山重篤さん
・「森は海の恋人」=広葉樹林が川を介して海を豊かにするので植林活動をしてきた人
・養殖場、加工場、船5隻を失った。
地震はあっても海の力は変わらない。ゆえに牡蠣の養殖を続ける。
◎ 人間が受ける衝撃は三つのレベルがある
① 知性で理解できる
② 体で衝撃を受ける
③ 生命が危機感を持つ
東日本大震災は ①+②+③ ⇒ ゆえに衝撃が深く、どこか心が晴れない
◎ 今の復興は、まだ知性の領域だけで動いている。
でもこれでは、復興できない。
復興構想会議はまだ頭の中で考えている。
エコタウンが目指す姿ではない。
◎ 復興は、文化的・文学的にまず始めることが大切
★ 自分たちがつくりたい街のイメージをまず書いている
・人々が寄っていく
・笑い声が聞こえる
・子どもがにぎやか
・祭りがある など
★ 自分たちがどんな生き方をするかがまず必要
・他人のために生きる
★ 特にお年寄りは大切 (被災者の多くはお年寄り)
・年寄りが他者のためを思って未来を考えること
(避難所で、自分の事だけ考えてたら未来はない)
・これからの人たちのためを思えば未来への希望が湧いてくる
★ 地元の人たちの想いを外の人たちが支える
・いろんな人のバックアップがあるからやっていける
◎ 労働とは「何かをつくること」である
・モノ、米、野菜、サービス、いろいろ
・家族や地域のためにすることも広義の労働
~生活、子育て、ボランティアも含まれる
(商品価値を生むもの、貨幣に置き換えられるものは狭義の労働)
★皆がなにかをつくっている。
これらは互いに関連し合っている
例:料理をつくる……野菜を収穫する……種をまく人がいる……畑を作った人がいる
・ねぎ一本にも長い間のいろんな人の営みによってできている
・魚釣りにも、釣竿、川、自然、いろんなものがあるから関わっている
◎ 社会は「自然」と「人間」によってつくられている
・「人間」には、「生者」だけでなく「死者」も含まれている
・「自然」には、「山の神」「川の神」「水の神」なども含まれる
・ 社会は「先祖」とともにある
・「先祖」には自分の祖先だけでなく、地域全部のご先祖さまが含まれる
・ 共同体との折り合いをつけることが大切
・日本の自治は「生者」「死者」「自然」で成り立つ
・祭りや行事は自治のしくみの一つ
⇒共同体としての折り合いをつける行為である
★復興には、まず供養が必要である。
・村として供養をすることで先に進むことができる
★共同体で再生(供養)するとふっきれる
(コミュニティが崩壊し、再生を個人でやるから引きずるようになった)
◎ 日本において、「労働」は「修業」と「貢献」である
・労働の中に修業があること(自分のなにかが向上していく)
・労働を通して何かに貢献できること
★ 農業は優れている (アダム・スミスも認めている)
① 誰でもできる (でもすべてを知ることはできない)
② 働けば働くほど自然に身についてくる。 (修業が内包されている)
★ 田舎の雑貨屋も優れている (地域の関係性のなかで仕事をしている)
① 人々のニーズを判っている
② どこから仕入れたら良いか知っている
◎ 家業を大切にしよう
・農業は自然が教えてくれる 修行と貢献がある
・家業は身内でなくても誰かに後を取らせればよい
・現代企業は、四半期ごとの利益追求
~長期的視野に欠ける
~当面の利益さえ上げれが良いというマインド
◎ ソーシャルビジネスを活かそう
・共同体を活かしていくために大切
・利益が目的ではなく「社会的使命を実現する」ことが目的
・自分たちの活動を持続できるビジネスモデルを確立すること
*****************************************************
■纏めのメッセージ■
★ 原発は人間的な想いが一切通用しない
・人と自然がつくってきたものをすべてダメにしてしまった。
・「こういう仕組みを残して良いのか」を考えるべき
★ 「他人のために生きる」を出発点に
・他人のために生きれば、人は幸せを得ることができる
・戦後の「自分を大事にしなさい」という教育は間違い
~何が自分のためか分からない ⇒とりあえず、高校、大学となる
~自己中心的な人間ばかり多くなる
(戦前の「人のために」の教育のほうが良かった)
★ 豊かな労働は誇りを持てるもの
・他者が認めてくれるから誇りを持てる
ゆえに他者との関係性はとても大切
★ 共同体を大切に
・他者あっての私
・小さな共同体が積みあがって、大きな共同体をつくる
・農村でも都市でも共同体を大切に
・都市と農村の合同の共同体も良い
・東京の集中を止めて地方へ
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私なりの纏め方なので、内山さんの想いと若干の齟齬があるかもしれません。
いずれにしても、いろいろと啓発されました。
アースカラーの皆さん、内山さん、ありがとうございました。
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哲学者・内山節さんの講演会がありました。
とても示唆に富むものでしたのでシャアさせていただきます。。
内山さんは立教大学大学院教授であり、里に住む哲学者でもあります。
まず彼の言葉を紡いだYoutubeをご覧ください。
そのうちのいくつかをご紹介します。
◇ 里には、「人生観」 「自然観」 「死生観」が 沈黙のまま活きている
◇ 一代でつくり出せないものに 人は支えられて ある時代を生きている
◇ 里には「家業」がある 「家業」は使い捨ての労働ではない
◇ 「百姓」とは 百の仕事をする人
◇ 近代人の捨てたもの それは 自分の帰る等身大の世界
◇ 探さないといけないのは 手ごたえのある 「幸福感」
いずれも含蓄のあることばです。
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さて講演会のテーマは、
「東日本大震災をどう捉えるか」と「これからの仕事のあり方」の二つです。
◎ 東日本大震災とは自然の災禍と文明の災禍が複合されたもの
● 自然の災禍 =「地震+津波」
+
● 文明の災禍 =「原発+爆発」
⇒こちらを見直すといっても簡単ではない
◎ 『それでも海とともに生きる』
牡蠣の養殖をしてきた畠山重篤さん
・「森は海の恋人」=広葉樹林が川を介して海を豊かにするので植林活動をしてきた人
・養殖場、加工場、船5隻を失った。
地震はあっても海の力は変わらない。ゆえに牡蠣の養殖を続ける。
◎ 人間が受ける衝撃は三つのレベルがある
① 知性で理解できる
② 体で衝撃を受ける
③ 生命が危機感を持つ
東日本大震災は ①+②+③ ⇒ ゆえに衝撃が深く、どこか心が晴れない
◎ 今の復興は、まだ知性の領域だけで動いている。
でもこれでは、復興できない。
復興構想会議はまだ頭の中で考えている。
エコタウンが目指す姿ではない。
◎ 復興は、文化的・文学的にまず始めることが大切
★ 自分たちがつくりたい街のイメージをまず書いている
・人々が寄っていく
・笑い声が聞こえる
・子どもがにぎやか
・祭りがある など
★ 自分たちがどんな生き方をするかがまず必要
・他人のために生きる
★ 特にお年寄りは大切 (被災者の多くはお年寄り)
・年寄りが他者のためを思って未来を考えること
(避難所で、自分の事だけ考えてたら未来はない)
・これからの人たちのためを思えば未来への希望が湧いてくる
★ 地元の人たちの想いを外の人たちが支える
・いろんな人のバックアップがあるからやっていける
◎ 労働とは「何かをつくること」である
・モノ、米、野菜、サービス、いろいろ
・家族や地域のためにすることも広義の労働
~生活、子育て、ボランティアも含まれる
(商品価値を生むもの、貨幣に置き換えられるものは狭義の労働)
★皆がなにかをつくっている。
これらは互いに関連し合っている
例:料理をつくる……野菜を収穫する……種をまく人がいる……畑を作った人がいる
・ねぎ一本にも長い間のいろんな人の営みによってできている
・魚釣りにも、釣竿、川、自然、いろんなものがあるから関わっている
◎ 社会は「自然」と「人間」によってつくられている
・「人間」には、「生者」だけでなく「死者」も含まれている
・「自然」には、「山の神」「川の神」「水の神」なども含まれる
・ 社会は「先祖」とともにある
・「先祖」には自分の祖先だけでなく、地域全部のご先祖さまが含まれる
・ 共同体との折り合いをつけることが大切
・日本の自治は「生者」「死者」「自然」で成り立つ
・祭りや行事は自治のしくみの一つ
⇒共同体としての折り合いをつける行為である
★復興には、まず供養が必要である。
・村として供養をすることで先に進むことができる
★共同体で再生(供養)するとふっきれる
(コミュニティが崩壊し、再生を個人でやるから引きずるようになった)
◎ 日本において、「労働」は「修業」と「貢献」である
・労働の中に修業があること(自分のなにかが向上していく)
・労働を通して何かに貢献できること
★ 農業は優れている (アダム・スミスも認めている)
① 誰でもできる (でもすべてを知ることはできない)
② 働けば働くほど自然に身についてくる。 (修業が内包されている)
★ 田舎の雑貨屋も優れている (地域の関係性のなかで仕事をしている)
① 人々のニーズを判っている
② どこから仕入れたら良いか知っている
◎ 家業を大切にしよう
・農業は自然が教えてくれる 修行と貢献がある
・家業は身内でなくても誰かに後を取らせればよい
・現代企業は、四半期ごとの利益追求
~長期的視野に欠ける
~当面の利益さえ上げれが良いというマインド
◎ ソーシャルビジネスを活かそう
・共同体を活かしていくために大切
・利益が目的ではなく「社会的使命を実現する」ことが目的
・自分たちの活動を持続できるビジネスモデルを確立すること
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■纏めのメッセージ■
★ 原発は人間的な想いが一切通用しない
・人と自然がつくってきたものをすべてダメにしてしまった。
・「こういう仕組みを残して良いのか」を考えるべき
★ 「他人のために生きる」を出発点に
・他人のために生きれば、人は幸せを得ることができる
・戦後の「自分を大事にしなさい」という教育は間違い
~何が自分のためか分からない ⇒とりあえず、高校、大学となる
~自己中心的な人間ばかり多くなる
(戦前の「人のために」の教育のほうが良かった)
★ 豊かな労働は誇りを持てるもの
・他者が認めてくれるから誇りを持てる
ゆえに他者との関係性はとても大切
★ 共同体を大切に
・他者あっての私
・小さな共同体が積みあがって、大きな共同体をつくる
・農村でも都市でも共同体を大切に
・都市と農村の合同の共同体も良い
・東京の集中を止めて地方へ
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私なりの纏め方なので、内山さんの想いと若干の齟齬があるかもしれません。
いずれにしても、いろいろと啓発されました。
アースカラーの皆さん、内山さん、ありがとうございました。
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