〈さらば、東日本!〉
十勝に向けてヒッチハイクを始める。
ここまで回数を重なれば人間慣れるものだ。
なぜ十勝に向かうのか?
それは第2章で出会った、女性2人組の友人が十勝に住んでいたからである。
北海道での野宿を心配していた彼女らは、挨拶も兼ねて事前に連絡を取ってくれていた。
数台のヒッチハイクで無事に待ち合わせ場所の「帯広音更IC」に到着。
そこから彼女達の知り合いともあって、めちゃくちゃパワフルな女性だった(笑)
年齢問わず、人生を楽しんで生きている感じが伝わったのが第一印象だ。
彼女と出会ってから十勝を案内してもらい、夜飯はジンギスカン食べ放題をご馳走になった。
これ程贅沢な料理を旅中に食したことがあるやろうか!(笑)
旅先で出会う初対面の人間に対して、ここまでのおもてなしをしてくれる。
ホンマにこうゆうところやろなと。
人生に余裕がある人。
人に気を配れる人。
自分もそんな彼女の部分に感銘を受けた。
幸せをたらふく感じた後、家にある部屋の一室を寝床に使ってもいいということで温かい布団の中で熟睡した。
次の日の朝、最北端から同行していた友人とは行き先が分かれるためここで解散。
友人は彼女たちと「美瑛」の方まで行くこととなった。
北海道の友人との旅の時間は、一生の宝物だ。
帰ってからまだ風呂も行ってないな〜(笑)
誘ってみよう!
それから俺はヒッチハイクで十勝から札幌へと向かう。
ヒッチハイクを始める時も、彼女と旦那さんは俺のことを見守ってくれていた。
多大なる愛を自分なりに感じた!
ヒッチハイクは無事に成功。
札幌までの3時間の道のりは、これまた意外とあっという間やった。
そして、懐かしの大阪時代の友人が北海道に越していて、実に6年ぶりの再開を果たす。
友人との楽しい時間もあっという間に過ぎ、小樽港まで友人が送ってくれる事に!
俺はそのまま新潟行きのフェリーチケットを買い、友人と再開を約束し3日間お世話になった北海道とを離れる時が来た。
翌朝、新潟に着くとトラックの長蛇の列がずらりと!!!
以前であったトラックの運ちゃんにアドバイスをもらった、「トラックヒッチ」を実践してみた。長距離ヒッチハイクで一気に大阪に戻ろうという試みだ。
何台か訪ねては断られを繰り返し、入れ替わりを待ったりしていると3時間ほどが過ぎていた。
するとようやく、あるトラックの運ちゃんからOKサインが出た。
その運ちゃんの行き先がなんと大阪の堺市!!
「出発前には腹ごしらえや!!」
懐かしの大阪弁に心に余裕が出来た(笑)
「ホンマにうますぎます!(笑)」
昼飯を食べ終わり、長距離の運転になると言うことで眠くなったら勝手に寝とけとの一声が入った途端、俺は爆睡してしまった。(すぐに寝すぎたのではないかなと今になって思う(笑))
起きてる時にお互い弾丸大阪トークで喋り、疲れては寝る。
そんな感じで富山のSAで車中泊。
早朝に大阪に向けて再出発。
「トラックで車中泊をする」というのも自分の中で小さな夢やったから嬉しかった!!
そのまま走ること数時間。
いつぶりやろ。
目の前には懐かしい見覚えのある光景が広がっている。
実家の近くの国道だった。
安心感と共に、一気に現実に引き戻った感覚。
トラックの運ちゃんとは長い時間ともにしていたために、やはり別れは辛い。
「俺が最後で良かったやろ!ほなまたな!」
そう言って運ちゃんは国道駆け抜けていった。
所要期間14日間
この14日間は俺自身の中で、数ヶ月分の時間が凝縮された感覚を覚えていた。
初めてのヒッチハイク一人旅。
期待に満ち溢れている自分と、少し不安に思う自分。
そんな時に出会い、支えてくれる素敵な方達。
初めての一人旅は、少し未来に不安を抱えていた自分から、未来に自信を持てる自分になれたんとちゃうかな?
「今度は西日本一周したい!」
また来る日まで。
それを実行する日はそう遠くはなかった。。(続)
〈日本一周ヒッチハイク旅/東日本編完結〉