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奥田英朗『リバー』感想

奥田英朗『リバー』(2022年刊行)
オーディブルで拝聴。



本物の事件の記録なのでは?と思うほどのリアル。

群馬県桐生市の渡良瀬川の河川敷で女性の遺体が発見され、数日後には栃木県足利市でも同じ手口の遺体が見つかります。そして恐ろしいことに、十年前にも同じ場所で同じ手口の未解決殺人事件があったのです。
同一犯なのか、模倣犯なのか。そこから始まる656ページの濃密な物語です

この作品、刑事・記者・被害者遺族・容疑者の周辺人物と、複数の視点から描かれる群像劇なんですが、それぞれの「リアルな人間くささ」が半端じゃない。

一つ一つ手がかりを積み上げていく刑事たちの執念の捜査、素人ながら娘を奪われた怒りから真相へと近づいていく父親、かつて取り逃した容疑者の異常性に触れるにつれ「野放しにはできない」と決意する元刑事。それぞれの血の滲むような捜査の模様に引き込まれていきます。 


調べてみると作品のベースになっている実際にあった事件があるようです。「北関東連続幼女殺人事件」。実際の事件では幼女が被害者ですが、作品では成人女性に変えられています。 だからこそこんなにリアルだったのかと納得です。


作者は「疑惑の人物の内面をあえて描かない」という手法をとっており、読者は登場人物の行動や仕草から想像するしかありません。このもどかしさと不安こそが、実際の未解決事件に向き合う感覚そのものです。


スカッとした「謎解き系ミステリー」を期待すると少し違うかもしれません。でもそれこそが奥田英朗の狙いで、「自然の森を書きたかった」という著者の言葉どおり、現実はそんなにきれいに終わらないんだという重みが残ります。その余韻でいろんなことを考えさせられます。


被害者と遺族の傷は、10年経っても癒えない。特に娘を奪われた父親の失明を覚悟しても犯人を捕まえようとするする描写は、読んでいて胸が締め付けられます。日々流れるニュースに情報を得てもどこか他人事です。しかしこういった作品から感情移入することで実感として記憶されます。

群馬県警と栃木県警、ふたつの組織が合同捜査をするのですが、縄張り意識や組織の論理、上からのプレッシャーといった「あるある」がしっかり描かれています。証拠がなければ動けない。そのもどしさ。それでも地道に捜査を続けていく各刑事の執念に胸を打たれます。


加害者の背景の背景もリアルでした。貧困、孤立、機能不全な家庭——そういった環境が人をどこへ連れていくのか。作品は断罪もせず、同情もせず、ただそのリアルを静かに差し出してきます。

僕が個人的に思うのは環境と個人の性格の組み合わせではないかと。

本当にやばい人はどうしてもやるし

少しやばい人は環境で抑えれる。逆も然りなのではと。だから個人の性格はどうにもならないので

せめて環境だけでも全体的に良くしていければいいなとは思います。それなら簡単ではないのですが、、、


未解決のままでも時間は流れ続けます。

でもそれに抗うように行動を続ける人たち。

そこから事件解決の糸を手繰り寄せる。

それでも現実は何も変わらず非情に流れていく。

その虚しさ、悲しさ

をこの作品から感じました。


伊良部先生シリーズみたいな

ハッピーな読後感はないです。騙されました。

帯をギュッと絞められるような感覚です。

でもたまにはそう言うのもいいですよね。









袋麺のラーメン横綱

袋麺のラーメン横綱

できたてスープがそのまま冷凍されていて

水を足さなくてできるという優れものでした!

そのまま鍋で温めるだけなので楽でした!



濃厚スープが

お店で食べてるような美味しさでした!!

麺ももちもちで時間通りに茹でるとバッチリでした!









児童文学『にんじん』の感想



「にんじん」ジュール・ルナール著

村田沙耶香さん(『コンビニ人間』の著者)が勧めていたことをきっかけに、オーディブルで拝聴しました。

当初は「普通の児童文学だろう」と思って読み始めたのですが、その内容に度肝を抜かれました。しかし同時に、子どもの頃に感じていたモヤモヤや不安を鮮やかに呼び起こされる作品でもありました。そうした意味で、本作は非常に優れた児童文学であり、大人が読んでも胸が締め付けられるような力を持った文学作品だと感じました。

母親から差別的に扱われる子ども、そして母親を素直に好きになれない子ども――そうした家族内の複雑な人間関係は決して特別なものではなく、むしろどこにでも存在しうるものだと思います。それを子どものうちから知ることは、生きていく上での一つの助けになるのではないでしょうか。

また、物語の締めくくり方も非常に衝撃的で、強く印象に残りました。子どもだけでなく、大人にもぜひ読んでほしい名作だと思います。








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