ついに、



某フィリピンパブに突入。



扉を開けるとそこは紛れも無くフィリピンパブだった。



まぁフィリピンパブなので当たり前なのだが。





私達が案内された席は、店の中央に位置する2~3名の客用の席だった。
(この場所が後々の思い出となる場所なのだ)



待つこと1~2分。



私達は3名、女の子も3名。



みんなそこそこ可愛い感じの子だった。



だが、私の隣の子が私的には1番可愛かった。



今思えば第一印象は特に鮮明には思い出せない。



でも、日本語もある程度話せて良く笑いイタズラばかりする愛嬌のある子だ。



年は26歳だと言う。



日本は2回目のタレント??らしい。



全くの無知な私に彼女はタレントとアルバイトの説明をしてくれたが、あまり良くわからなかった。



そうこうしている間、気が付けば元請けはカラオケをとんでもなく歌いまくる(もはや敬称無し)。



これは……独占禁止法に引っかかるレベルだ。



そして同僚も巻き添えを食らい一緒に歌う。



女の子私❤女の子同僚❤女の子元請けと並んで座っていたので、元請けの犠牲者は同僚だ。



頑張ってくれと心から応援した。



彼が頑張る事により私は私の世界で女の子と話せるのだ





そんな私は世間話をしながら楽しんでいたが、20分位すると突如ボーイから「女の子ご指名なさいますか?」と質問がきた。



まぁいいよ、と場内指名する事にした。



私に付いた女の子(以後Dと称す)と話していると、「あなたは歌わないの?」と切り出してくる。



普段カラオケに行ったら上手いか下手かは別にして、楽しく歌わせてもらうのだが……。



今回の元請けのスペシャルフィーバーの勢いに呑まれ、自分が歌うタイミングを見失ったのだ。



さらに言えばDの「なんであなた歌わないの?」攻撃が連発で来た為、「俺は歌わないよ」と売り言葉に買い言葉状態が続いていたのもあるのだ。



Dの攻撃は収まらず、あの手この手でリモコンを操作し俺にボン・ジョヴィを歌わせようとする。



なぜボン・ジョヴィか?



それはただDが好きなだけなようだ。



だがしかし、私は歌えない。



あんな高い声でないし、曲もしらないし、英語厳しい。



もしリモコンゲット→検索→入力→送信までの4連撃を許してしまった暁には私はお終いだ。



歌えないから曲を途中で中止するというなんとも興冷め状態を引き起こしてしまう。



元請けをシラケさせる訳にはいかない。



私はリモコンを遠ざける。



違うテーブルにリモコンを持っていかせたりするのだが、なかなかDは引き下がらない。



隙を見てゲットしようとする。



私は臨戦態勢でリモコンから片時も目を離さない様にしている。



だが……これぞフィリピンパブか!?と言わんばかりのDの行動。



大人しい口調で話し始め、急にあなたかっこいいね!と抱きついて来たのだ!



まぁその前にもパロパロだのボラボラだの説明されていて、話し方が可愛かったので「君は綺麗だね」とか自分も言っていたのだが。



とにかく私は嬉しかった。



というかデレデレ。。



恐らくとんでもない長さの鼻の下になっていたであろう。



しかし、抱きつかれて数秒すると、、何か様子がおかしい。



Dがなんかモゾモゾしてる……。



なんとDが何時の間にかリモコンをゲットし、入力まで済ませていたのだ。



残念ながら私の下半身の一部にあるリモコンをモゾモゾしてくれている訳ではなかったが(笑)



送信の前に気が付いたから事なきを得たが、男を手に取る技術力の高さに尊敬の念を抱かざるを得なかった。



と同時に私の夜の女性耐性の無さと、回避力の低さに少し悲しさすら覚えた。



しかし多分Dは実際送信まではしなかっただろう。



お互いそういう遊びをしていたのだろう。



そうしている間に時間は進み、2時間目にして切り上げる事にした。



帰り際にDはLINEを教えてと言うので私は普通に教えた。



Dは本当は本名は○○だよ!とか言ってきたが、「そっかそっか」位にしか思わなかったし、それが本当かも分からないし嘘だとしても特になんでも無い話だなぁと、そこだけは何故か冷たい反応をしてしまった。



私は「もうここには来ないだろうし」と内心思っていた。



自分の住まいから数県跨ぐ距離のフィリピンパブに来るなんて絶対に無いだろうと。





会計を済ませ、店外に出る。





他2人とタレント2人は先に外でお見送りタイム。



私は最後にDと一緒に外に出たが、Dは私に抱きついてきた。



これにはフィリピンパブ初心者の私は度肝を抜かれた。



他の2人はタレントと挨拶程度しかしていなかったから、私もその程度のありきたりな別れかな?と完全に無防備状態だったからだ。




いつからかキャバクラやパブ等に行かなくなり、夜の女性耐性がほぼ皆無になってしまっていた私は……。



ああいう営業スタイルの子なのか?はたまた少しは気に入られたのか?疑心暗鬼に陥る羽目になってしまったのだ……。







続く……