2月末日。



仕事で出張に行く事になった。


1泊2日だが今の会社では珍しい事だ。



当日は元請けの方もいて、夜は飲み会をする事は決まっていた。

ホテルも駅近くに取り、仕事も17頃に切り上げて準備万端だ。



一風呂浴びてとりあえず居酒屋に集合。



2時間ほど飲んだところで1件目は終了。



店を出ると元請けの方が、「歌を歌いたい」との事。



まぁ2件目までは経費落ちるからどこか探すかーと、ブラブラ歩く。



するとそこに広がる光景はなんともノスタルジーなネオンが光るフィリピンパブ通りではないか!



ここで話は20数年前に遡るが、私は20代前半の頃にフィリピンパブに行ったことがあった。



会社の同僚と共に3次会あたりでフィリピンパブに入店し、隣に着いた子を気に入って、数回だが飲みに行った事があるのだ。



その子は確か4回目位に「帰国するからさよならパーティーに来て」と言ってきた覚えがある。



当時は私が若いのもあって、面倒くさくなり行くのを辞めた感じだった。



それ以降は多分フィリピンパブには行っていない。



しかし、このフィリピンパブ通りを目にした時に昔の記憶が蘇った。



たった数回しか行ったことがないのに、楽しかった記憶が鮮明に映し出されたのだ。



日本人キャバクラとは全く異なるあの空間にまた行きたいと……私はうずうずし始めた。





しかし!





あろう事か一緒に飲んでた同僚と元請けがスナックに入ろうとしている!





私は愕然とした。





昔入ったスナックは、おばあちゃんが一人でやっていた。



当時の私にとっては地獄の空間だったトラウマがあるのだ。



いやそれはおばあちゃんに失礼だ。



おばあちゃんは一切悪くないのに地獄空間と呼ぶにはあまりに無礼。



私がただの青二才だっただけの話なのだ。。





話をもどすが、勿論そうでは無い店も沢山あるのは重々承知ではあるのだが、やはり彼等を引き止めねばならぬ気持ちが頂点に達したのだ!



なぜか?それは単純にフィリピンパブでイチャイチャしたいからに他ならない。



日本人キャバクラでは初っ端からイチャイチャ出来ない。



そういったコンセプトのお店じゃない限り厳しいだろう。



それ以外の理由は多少日本人キャバクラよりはリーズナブルなイメージがある位か。



自分から話しておいてなんだが、そんな話はどうでも良い。





私はフィリピンパブに宣戦布告し一人猪突猛進、突撃を敢行した。



迫り来る扉を跳ね除け(自分から扉に向かっただけだが)

城門突破に成功した……。

因みにキセル演出や大砲の援軍はなかった……真顔







私が入ると同僚と元請けも付いてくる。





もはや元請けに気を使うことすら忘れ、欲望剥き出しで人数を告げた。





ここに待望のフィリピンパブ入店を果たすのだった……。






続く……