4月に東京港区で行われた発達障害支援に関する講演会の映像が今月末までYouTubeで公開されています。


(港区発達障害者支援室のホームページにリンクがあります)

https://www.minato-hsr.org/


子供への支援について本田秀夫先生が、大人への支援について柏淳先生がお話されていました。


今回発達障害の中でもASD寄りで、我が家にヒットする内容でしたキラキラ

私にとっては参考になる内容で気付かされることも多かったです。


以下感想(分割して載せます)



自閉スペクトラム症とは

本田先生が解説した「自閉症の特徴」が個人的にすごくしっくり来ました。


・臨機応変に対人関係を調整するのが苦手


・自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強い


これこれ!これですよ!!キラキラ


診断基準を分かりやすい表現にしただけなんですが、よくぞこんなにしっくりくる言葉にしてくれたと感動おねがい


どちらかというと大人や軽度の子供に寄った表現なのかなとは思いますが、この表現なら、見逃されてしまうASDの子供や「自分はASDに似ているけどちょっと違う」と思って未受診のまま苦労する当事者が減ると思います。
それくらい、世間一般に説明されがちなASDの特徴が当事者(?)的には違和感ある……。


私が「アスペルガー症候群」を知ったのは2004年ですが、そこから「自分はアスペルガーなのか?違うのか?」と6年くらい悩みました。
アスペルガーの特徴のほとんどに当てはまるのに、「空気が読めない」「人の気持ちが分からない」という特徴だけが当てはまらない、むしろ真逆のように思えたからです。

同じように思っている軽度やグレーの方、多分大勢いると思う。
空気を読むとか人の気持ちを理解するというのは曖昧な言葉で人によって想定するものが違うんですよね……。

私が「空気が読めない」で想定したのは、「あなた今日の服似合わないね」「あなた最近太ったね」と言ってしまう、みたいなものです。
ASDの例としてこういった言動が挙げられていたりもします。
私はこれはない。

でも私も確かに今考えれば空気は読めない。
それは
・職場で水面下の派閥に気付かず仲が悪い人達の間で楽しく会話してしまう
・バスケの試合で互いに声を掛け合って臨機応変に走ったりパス回しが出来ない→常にいたたまれずボールが来ないことを祈りつつ挙動不審に右往左往しw、ボールを持ったらドリブル一直線か言われたままにパスするしか出来ない
こんな感じのことです。

そしてパッとした状況判断が難しいからこそ、変なことをしないように空気を読もうと気を回して疲弊してしまうんです。

疲弊して疲弊して鬱などになり、精神科を受診しても医師にもASDを気付かれない。
(↑この現象、柏先生が「日常的に起きている」と話していらっしゃいました)
グレー〜軽度の過剰適応タイプってこんな感じかと……。

そして「こだわり」というのも何だかよく分からなかったりする……。
いつも決まった順番でやりたいとか、決まったものを使いたいとか、そういうのは私はないので。
が、その時その時頭に浮かんだ自己流を一人でやり遂げたい、邪魔されたり干渉されたくない……みたいな傾向は強かったです。
皆こうすべき、みたいな考えを持つと相手に強要させたくなり、でもそれをしない理性はあるので悶々として苦しんだり……。
また特定の思想を強く持って、その尺度だけで世の中の全てを白黒に分けたり、思想の異なる相手に敵対心を持ったり(10代の頃の黒歴史魂
そういうのをこだわりと呼ぶんでしょう。

「自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強い」という表現は「こだわり」よりずっとしっくり来ます。


もしアスペルガー症候群の説明が最初から
・臨機応変に対人関係を調整するのが苦手
・自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強い
だったなら、6年間も悩みはしない。
読んですぐ
「あ、私これだ。間違いない」
で終了です笑い泣き

ASDの説明、これがスタンダードになってほしいです。

※幼い子供や知的障害を併発した方の場合、そもそも「臨機応変に人間関係を調整」はASDが無くても難しいかもしれず……ASDの範囲が広すぎてこの辺難しいですね。。
(ニュアンスは知的発達に関わらず共通だと思いますが)