
法山地域振興センターでの上演は今回で3回目になります。
今年ご一緒したのは、武蔵野美大の人形劇団「ダニ族」。
飯田ではおなじみの名前と思っていましたが、部員が減って廃部の危機もあったそうで、これを乗り越えたメンバーは全員飯田も初めてだとか。
だいぶ早い時間から会場入りしているようで、私たちが到着した時には舞台を作って稽古の真っ最中。
さあ、うちも仕込みを…とケコミをさがしたら、
…ない。
おかしいなあと探していたら、ありましたありました。
ああ、ケコミが原型を留めていない…。
ダニ族の皆さん、ケコミやソデのパーツを全部ばらして、全然違う舞台装置を再構築してますよ。
これには私もびっくりしました。
恐るべし美大。発想が柔軟です。
さあ、大変だ!
…でも、彼女らが生まれた頃から人形劇をやっている私としては、こんな時こそ、がぜんヤル気になってしまうわけです。
ここから自分たちのケコミを確保して、しかもなるべく簡単にダニ族の舞台に転換できるようにするにはどうしたらいいか?
結局、残ったケコミのパーツと、烏龍茶の箱の段ボールを使って、自分用の舞台はちょちょいと確保。
残ったダニ族の舞台は、短時間で設営できる、ということでしたが、会場の舞台係さんが気を利かせて大黒幕を余分に用意してくださいました。
高い高い天井なのに、すばらしく手慣れた様子で、ひょいひょいと幕が張られます。
この幕の開閉で、より簡単、確実に舞台を転換できるようになりました。
上演は、まず私たちの「王さまのふとん」。
続いてケコミの前に出て、パネルシアターの「ふくろうのそめものや」。
ダニ族の皆さんは、この15分ほどのパネルシアターの間に完璧に準備を済ませており、ふたつの劇団のバトンタッチはじつにスムーズでした。
その辺の手際は、ちょっと初心者とは思えません。
ダニ族の演し物は、「星の王子様」をアレンジした作品。
細かく作り込まれた装置と人形美術は圧巻。
小学生高学年以上が対象のお芝居でしたが、前の方では小さな子どもも熱心に見入っていました。
なみのシンプルな舞台と、ダニ族の凝った舞台。
その対比も面白かったのではないでしょうか。