※ネタバレ警報発令中




「石垣島のラー油」と言えば元祖「食べるラー油」!!全国的知名度を誇る沖縄県産品の一つです。



その製造背景、ずっと気になっていました。何故沖縄石垣島でラー油!?その謎がこの映画を観て全て解けました。タイトルの「ペンギン」とは、動物の名前ではありますが、実は立派な苗字❗「辺銀」と書くんですね‼️石垣島のラー油は、島に住む辺銀夫妻が作っているラー油なのです。夫ギョウコウは中国人、妻の歩美は本土の出身(東京?)、国際結婚した二人は夫の会社が倒産したのを機に、島に移住することを決意。二人、ゼロからの出発。



歩美は島に着いてたまたま入った飲食店を気に入り勤め先に選ぶ(即決)!!ギョウコウは、歩美をナンパしてきたおじいの畑を手伝うことに。とてもコミカルな展開なんですが、この物語、夫婦が帰化申請の取り調べを受けていく中で展開していくんです。しかも、審査官は二人の言動を必要以上に怪しんでいるように見えます。尋問のような空気感が漂う現在と、島の人たちと豊かにつながってゆく二人のくらしの回想が交錯しながら物語は進みます。



あるとき、歩美はフリーマーケットの知らせを見つけます。そこになにかを出展しようと考え、目についたのが二人の食卓に当たり前のように置かれているラー油でした。島の食材を使って美味しいラー油を作ろう‼️歩美は奮起します。勤め先の飲食店のおばあから島とうがらし、ギョウコウが手伝うおじいの畑からウコン、そして沖縄独自の香辛料ピパーツを作る村人の元に頼み込みピパーツを譲ってもらった二人は、毎晩ラー油の研究を重ねます。



そして、試行錯誤の末ついに、理想の味のラー油が完成します。



二人は、このラー油に「石垣島のラー油」と命名し、フリーマーケットに挑みました。ところが、馴染みのない調味料に島人の反応は今一つ、ラー油はついに売れずじまい。なんで試食させることをしなかったんだろうーっ白いご飯の上にのっけて味見させたら皆絶対買っていたはず。



仕方なく、歩美はラー油を近所や職場に配ったり、東京の友達に送ったりした。すると、びっくり‼️東京から新たな注文が100個も入ったのだ。ラー油を食べた人たちから高評価を勝ち取り、二人は生産が追い付けなくなるまでになり、歩美の勤め先の人々の手を借りるまでとなった。



帰化申請審査官は、そんな二人の話を怪しみ、本当はラー油ではなく、麻薬を作っているんだろうと詰め寄ります。その辺のやりとりが怪しすぎて逆に笑えてきます。これが実話だと言うんですから事実は小説より奇なり。



二人が尋問を受けている間に、飲食店を麻薬捜査隊が取り囲む事態となったが、もちろんすぐに疑いは晴れます()



帰化申請はギョウコウの強い望み。二人は途中すれ違いながらも、新しい苗字を得ることに思いを馳せます。



そう、ペンギンという苗字は、二人が申請した新しい苗字なのでした。



審査官は、疑ったことを詫びましたが最後にギョウコウと歩美に質問します。「何故、この苗字を選んだのか」。二人の答えが同じなら、帰化を認めると。



ペンギンは、妻が大好きな動物だから。これが、ギョウコウの答え。帰化申請するにあたり、審査官から訊かれるであろう質問への答えを二人で何度も練習してきました。自信たっぷりの答えでした。ところが、妻の歩美の答えは違っていました。



この場面、本作品の要となる大切な場面だと思うのでぜひご覧になって欲しい。というわけで割愛します()



二人の答えは違っていましたが、審査官を納得させるには十分でした。



晴れて二人は「辺銀」の名を手に入れ、ペンギン夫婦になれました‼️



 



石垣島のラー油。沖縄(本島)に住んでいながら、まだ食べたことがありません。かなり美味しそうです。本作品を観て、すぐにお土産品店に走り出したくなりました。



綺麗な景色とのどかな時の流れ、優しい島の人たち、美味しい食事、そんなキーワードをいくつも含んだ幸せなお話でした。



石垣島行きたいよー‼️