大事大事の入院中、きちんとしたご飯を食べることができなくなった。

1人きりのご飯は味気ない。

大事大事が違うところに行ってしまってからはもっと食べなくなった。

食事をすることに興味も意味も全く感じなかった。

 

それが変わったのはお葬式の時。

お経をあげてくださったお坊さんから「必ず毎日ご飯を炊いて、真ん中の良いところをお供えしてください」と言われてから。

ご飯を炊いたからには食べなきゃいけない(白米を、ましてや彼の前に置いたものを捨てるという選択肢はなかった)。

白米だけをもそもそ食べる日が続いている中で、ふと大事大事が退院したらこういう食事を一緒にしようと思っていたことを思い出した。

・野菜中心のおかず

・塩分を控えた優しい味

・だしをとる(これまではだしの素を活用してた)

・油物を控える

・調味料はちょっといいものにする(気持ちだけでも豊かに)

 

そっか、白米だけじゃなくってちゃんとおかずも食べさせてあげたいな。

そんな風にかんがえるようになった。

とは言え彼に食べてもらった後はそのまんま自分で食べなきゃいけない。

毎日手の込んだものを作るのは無理。

毎日何品か作ってもまず食べきれない。

ということで、週末におかずの作り置きをすることにした。

冷凍できるものは冷凍し、できないものはひたすら毎日食べ続けるしかないのだけれど。

そのため1週間同じようなメニューになってしまう。

朝ごはんは白米と野菜だらけのお味噌汁。

夕ごはんは朝の残り(彼の分)と作り置きのおかず。

毎日代わり映えしないものでごめんよー、と声をかけて彼のところにおかずを並べ、食べ終わったかな、と思ったころ合いにそれを奪って食べる。

 

困った。

こんな食事を繰り返して健康になって長生きとかしちゃったらどうしよう。

長生きをする意味がないので、私がやらなきゃいけないことをやり終えたらいつでも迎えに来てねって声をかけているんだけど。

 

ちゃんとご飯を食べれるようになったのはお坊さんと大事大事のおかげ。食べてもらいたいものを作ることで食べざるを得なくなる。

今も私のことを守って助けてくれているんだなとしみじみ思う。