我が家にはかれこれ15年以上同居している観葉植物が2種類ある。ひとつはサンスベリアで、もうひとつは月下美人だ。

 サンスベリアは空気を浄化させる効果があるとの情報を得て、家を購入した20年近く前に園芸専門店で購入した。気が向いたときに水を遣るくらいでも、どんどん子供が産まれてきて、鉢が窮窟になるたびに大きな鉢に植え替えていたのだけれど、そのうち鉢が大きくなりすぎて持ちあげ移動させるのが億劫になり、今では間引きしながら適度な量に抑えている。

 月下美人は、そこそこ激しいぎっくり腰になった17年前、たまたま出張治療をしてくれる鍼灸師さんを妻がみつけてきて、なんとか歩けるようになった後も鍼灸師さんの自宅兼治療院に通っていたとき、鍼灸師さんのお母さまより子株をいただいたものだ。

 サンスベリアはただただ育って大きくなって子供を次々と産んでくれる。さしずめドクダミのようなものだけれど、月下美人は我が家にやってきて10年ほど過ぎた頃から、とても美しい花を咲かせるようになった。優雅ないい匂いをさせて夜中に咲く。幽玄という言葉がぴったりな花だ。でも残念なことに葉があちらこちらから芽吹いてきて樹形としてはけっして美しくはないので、いい加減に育てていても毎年花を咲かせてくれるから、きっとこいつはものすごく生命力が強いやつに違いないと、2年ほど前に葉がなくなるくらいまで力いっぱい剪定した。今は生きてはいるけれど、数枚の葉を伸ばしているだけで開花の気配は一切なくなってしまった。

 現状を変えるために何かをしなくてはと考えて、観葉植物専用の土に変えてみることにした。生きているうちにまた月下美人の花をみたいと切に願う。

 明日は奥多摩駅から古里駅まで丘陵を歩く。昨日歩き過ぎたので、今日は晴れていたけれど、佐藤正午の「書くインタビュー4」をずっと読んで身体を休ませた。


強剪定前の月下美人。奥にサンスベリア


月下美人正面から