毎月第1、3金曜日はウクレレ教室の日。3月の市の広報に、高齢者初心者限定で生徒募集があり、試しに申し込んだところ当選した。年間にかかる費用は4000円。

 教室4回目にしてやっと「バラが咲いた」で使用するコードの紹介と、各コードの試し弾きまで進んだ。先生は83歳だけれど、とても口が悪くて滑舌が良くて元気だ。でも生徒の気持ちを惹きつけるための持ちネタをなんどもなんども言われる。毎回必ず登場するネタは指の名称についてだ。「人差し指をお母さん指と言ってはダメですよ」「中指はお兄さん指と呼んではだめです」「ではこれは?」「赤ちゃん指?、小指です!」といった感じだ。


 僕はバラが咲いた程度のコード進行は目を瞑っていても弾けるんだけど、周りと協調しないといけないので、先生の言う通りに初めて弾きます風情でウクレレに接している。生徒は10名だけれど、明らかに僕よりも上手いと思われる高齢者が2人はいる。「まったくの初心者しか受講してはいけません」と念をおされたはずなんだけどね。まったくの初心者はいない様子だ。

 まあなんというか高齢者は、残された時間が少ないことをどこかで意識しているもので、見知らぬ人との邂逅を求め、楽しもうとしているんだろうなと僕は思っている。自分がそうだから。