月に一度の水彩スケッチ例会で、最寄駅が中央線高尾となる忌野清志郎の骨が置かれている高乗寺に来た。家からは初沢山を越えるとすぐの場所にある。
 もう新緑の時期は超えてしまっているけれど若く透明感ある新緑の風景がテーマだ。こういうとき、大人のスケッチは見たままを描くのではなく、少し想像を働かせて描くことになる。残念なことかもしれないけれど、大人はウソを平気でついてもよい場合がある。



 スケッチの講評後、寺の敷地内にある大心で天ぷらそばを食べる。ここは意外と安くて美味しい。食後は、先の大戦で中島飛行機の地下工場があったばかりに、さんざん空襲に襲われた場所の跡地に作られた三和団地の急坂を上がり、そのまま向かい側斜面を下れば自宅への近道なのだけど、なんとなく山歩きがしたくなり、南高尾縦走路を歩くことにした。四辻まで行って高尾山口へ降りて帰ればいいやと簡単に考えたのが甘かった。



 ちょっとした散歩のつもりで歩き出したのだけれど、意外とアップダウンがきつく心臓の鼓動が激しくなり、水もお茶も清涼飲料水もなかったものだから、あやうく熱中症になるところだった。65歳までほとんど山歩きなどしたことがないくせに、ハイキング同好会に入会して3月、4月と2回の山歩きがそこそこ快調に歩けたものだから、ひとり歩きの難しさがわかってなかったようだ。前期高齢者であることを忘れてはいけない。
 大勢で歩くということは、たぶんメンバーそれぞれから有形無形のエネルギーをいただいているのだろう。ひとり歩きは蛇滝道道場までの行き帰りくらいに抑えておいたほうが良さそうだ。