それにしてもなんでもかんでも値上げの世の中。サラリーマンにとってのランチの値上げは死活問題。って、そこまで大げさなことではないけど。


今じゃワンコインランチなんてのは立ち食い蕎麦くらいなものだけど、夏に熱い麺を毎日となるとかなりきついわけで。駅地下の蕎麦屋は食材高騰の影響か日替わりのランチメニューがなくなり・・・。

サイゼリヤは安いけどイタリアンなメニューとなると60過ぎのおっさんには毎日は無理。

昔は300円を切っていた牛丼も今じゃほぼ500円。というか、今ではこのコメの量がもうきつくて。

テレビ塔下の名物蕎麦屋は美味しいもりそばが500円で食せるが量が半端じゃなくて毎日は無理。

最近、ほどほどな量の美味しいカレーショップを見つけたが日替わりが900円じゃ毎日は無理。

カウンターに置かれた何種類ものソースを使って自分好みの味に仕上げるのが特徴の焼きそば屋は大盛りでも510円だから手頃といえば手頃だけど…。

今時コンビニのおにぎりも米高騰のあおりを受けてかなり高額になったし、結局はこれらのお店を気分次第でローテーションする日々。どこかに手頃な定食屋があればいいのだけど。というどうでもいい話は横に置いといて、今週もぼちぼち始めることにしましょうか。



たまに名盤作品を期間限定で格安で売り出すタワレコ。若い頃に欲しくてもお金がなくてなかなか買えなかった過去作品を中古なんかでコレクションしている自分にとってはありがたい企画なわけで、過去にはクールスやニッキー&ウォリアーズ、マニアックなところでCHIE & THE WOLF BAITSなんてのが1,000円で買えたりして。

で、この夏、再びの名盤企画でも80年代のジャパニーズ・ロックの作品が色々と。


チャクラやジェット・ボーイズ辺りも気になったが、今回はCDにDVDまでセットされながら1,600円の低価格となっていた作品を中心に、宝島世代にとって垂涎のキャプテンレコード関連の4作品をまず購入することに。


J(S)W/JUN SKY WALKER(S)

原宿ホコ天から飛び出したと言っていい、80年代を代表するストリート・パンク・バンド、通称ジュンスカ。インディーズで唯一発表したのがこのアルバム。というくらい、人気に火がつきすぐにメジャーデビューを果たした印象。自分はそのメジャーデビューのミニアルバム「全部抱きしめて」を買った記憶。


「全部抱きしめて」、「遠くへ行かないで」、「MY GENERATION(ザ・フーのあれではない)」等、パンクというよりはメロディアスな名曲も多いのだが、一本調子になりがちなギターサウンドと、「歩いて行こう」、「いつもここにいるよ」、「START」なんかの歌詞世界がどうにも馴染めずにその後の作品までは手が伸びず。とは言いつつ、ボーカル宮田和弥の長袖Tシャツに、ブラックスリムジーンズ、ラバーソウルのスタイルは、その当時の自分が好きだったスタイルと全く一緒。ってことで気にはなる存在でした。

今回付属のDVDは宝島のビデオマガジンV.O.Sからのモノで、当時これを定期購入していた者としては涙が出るくらい懐かしい映像でした。って、結局、なんだかだとジュンスカをよく聴いてたってことです。2025年の現在も活動を続けているのが素晴らしい。



PACKAGE OF CAPTAIN SHITS/THE POGO

前身のTHE 305から話題だった彼らがTHE POGOとしてキャプテンレコードに残した3作品と初期のソノシート音源の全21曲を一枚にまとめるという荒業の本作品。


自分はそのキャプテンレコードでの一作目「ヒステリック・ジェネレーション」をリアルタイムで購入してよく聴いていました。

当時、ケンジ&ザ・トリップスなんかと盛り上がりを見せるビート・パンク・ロックシーンを牽引していたとおり、両者のサウンド、ボーカルスタイルはかなり近しい印象。まぁ、メンバーもバンド間で入れ替えがあったりと何かと曰く付きの両バンドであったのだが。


メジャーに移りリリースされた4作品はどれも評価が高く、デビューアルバムはパンクロックバンドのアルバムとしては驚愕と言ってもいい、オリコン最高位で18位を記録。が、自分にはそれほど響いてはこなかったのか、いつの間にかコレクションの中から消えている。

ジュンスカ同様、付属のDVDはV.O.Sからのものと思われるが、ボーカル良太のステージングはまだまだ初々しい感じ。個人的には一度聴いてみたかったカバー曲の「たどり着いたらいつも雨降り」がCD、DVD双方に収録されているのが嬉しいところ。

THE POGO解散後、ボーカル良太はベースレスバンドのJIGHEADを結成しギターも手にしていたのが意外だった。



LOUD MACHINE/THE LOODS

自らRBFレコードを主宰していた西村茂樹が率いるザ・ルーズがキャプテン・レコードからリリースしたEP4曲に1988年までにリリースした作品17曲を加えたもの。この後、バンドは本作品のEPタイトル「ラウドマシーン」に改名するほど、タイトル曲は当時彼らの目指すものが結実した作品だったようだ。ちなみに、RBFレコードにも関わっていたP-モデルの平沢進がプロデュースを務めている。


自分が彼らに接したのは、本作品より前にリリースされたアルバム「STOP FUCKIN’AROUND」で。

こちらは本作品と違って、かなり性急なパンクロックを味わえる。また、彼らにとって初のスタジオ録音20㎝ソノシート「THE LOODS」のモノクロジャケットが秀逸(というか自分の好み)で今でも自室の壁にディスプレイされている。

バンドリーダーの西村茂樹は、その後藤井一彦らとザ・グルーヴァーズを結成するもアルバム3枚をリリス―した後、バンドを去ることに。ベースのカタルは老舗のニュー・ロティカで現在も活躍中。



WE ARE BEAT CRAZY/V.A

京都のパンク・ロック・シーンそのものであった集団「ビート・クレイジー」の中心にいたバンドの音源集。


オリジナルの収録バンドはコンチネンタル・キッズ、赤痢、スペルマ、コックニー・コック、ボーンズ。今は亡きランコが所属していたコンチとスペルマは当時からかなり気になっていたにも関わらずなかなか手が出せなかったのは、彼らの他者を寄せ付けない孤高な雰囲気が影響していたのは噓偽りのない事実。

今、初めてこうして聴いてみると自分が感じていた雰囲気そのものな音。スラング、イースタン・ユース、怒髪天なんかが形成していた当時の札幌のパンクシーンもこんな感じだったのかも。なんて勝手に思ってみたりして。

60歳を過ぎてこのようなサウンドに出会ったのも何かの縁というものか。

↓収録曲とは違いますが…


これらの作品を輩出したキャプテンレコードの母体は雑誌「宝島」。ロックはもちろん、さまざまなカルチャーをコンパクトサイズの一冊に集約していた頃が懐かしいが、キャプテンレコードを設立した頃は、かなりジャパニーズロック寄りの雑誌に変化し、サイズも大判になり「バンドやろうぜ」なんて派生雑誌まで生まれていたが、昭和な自分はやはりコンパクトサイズの頃に郷愁を感じるのです。



今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。