ここのところ元アイドルが亡くなられた話題で持ちきりだが、若い頃アイドルにさして興味も持たなかった自分はご冥福をお祈りしつつも、その方の元配偶者のロッカーがつい最近ライブ活動から退いたことや、スタークラブの事務所クラブ・ザ・スターの元代表ミック氏が亡くなられたニュースの方が衝撃だったりして・・・というどうでもいい話は(人が亡くなられたのだからどうでもよくはないか)横に置いといて、今週は読書の話でも。


ロック一辺倒というわけではく、意外に読書好きだった自分。若い頃は永井荷風や堀辰雄なんかの昭和初期の小説、高村光太郎の詩集、芥川龍之介、三島由紀夫なんかを読み漁っていたのは、なんだかんだとロックからの影響(ほとんどがリザードのモモヨだけど)が大きかったわけで。それが50代に入ってからあまり本を読まなくなったのは、会社での先が見え始めてビジネス書をあまり読まなくなったことに加えて、家でベースをちょろちょろ弾いてみたり、それまでは控えていた晩酌をするようになったからのような気がして、今年の初めに新年の誓いというわけではないが「こんなことではいかん、今年は少し本を読んで知識をインプットしていかなきゃな」なんて思ってみたりして。


ということで、今回は今年手に入れた書籍や読み終わった書籍を紹介。


今年の読書記録を見てみると、昨日までにこの一年間で購入した書籍(ex雑誌)が34冊、読み終わった書籍が45冊。買ったモノより読み終わった方の数が多いのは、単純にコレクションしている本を読み返したものがあったから。読書好きの方に比べたらかなり少ない購入数と読書数だろうが、好きなCDとレコード類と並行してとなればこんなものではなかろうか。


ちなみに一時期は増えていく書籍のコレクションに辟易して電子化を図ろうと電子書籍にシフトしていたが、今年電子書籍で買ったのはたったの一冊。結局は紙媒体の方が読みやすいし探しやすいってことで(笑)。

それでは、ジャンル毎に紹介を。

■小説
昔は先に挙げた永井荷風や堀辰雄なんかに加えて、辻仁成、よしもとばなな、その他一般的に売れてる小説を手あたり次第…なんてこともあったが、最近は北海道江別市在住の小路幸也氏の小説ばかり。
年一冊のペースで発売される東京バンドワゴンシリーズの新作「キャント・バイ・ミー・ラブ」は唯一の電子書籍で。

他にも同氏の小説を何冊か。

この作家の小説はどれもハッピーエンド、ほっこりさせてくれるのが今の自分には丁度いい。



すでに独立した長男が残した本棚に何か面白そうなのはないかと覗いてて目に留まったのが川上弘美の「センセイの鞄」。

裏表紙のあらすじを読むと駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会した主人公の女性の歳の差を超えたやりとり、ゆったりとした日々の話らしい。居酒屋好きの自分としては居酒屋のカウンターで繰り広げられるストーリーとなれば読むしかない。


あらすじどおりに進む展開に頁を捲るスピードも加速する一方だったが、途中、突然異次元の世界(夢の中?)に迷い込んだような箇所があり、町田康の小説を読んでるような既視感に襲われて、ここは必要か?と思ったりもしたが、そこは小説マニアにとっては別な意見があるところだろう。いずれにしても、発表から20年以上も過ぎた小説がすっかり気に入ってしまい、この作家の作品を後追いで何冊かブックオフで購入。

それにしても息子は学生の頃、なにゆえにこんな小説を読んでいたのか。



■エッセイ
ヴィム・ヴェンダースの映画パーフェクト・デイズの中で役所広司が演じる主人公が寝床で読む「木」という文庫本がどうしても読みたくなり駅前の大型書店で購入。


作者の幸田文が幸田露伴の次女だと今さらながら知ったりするのだから、文学界に全く通じてないのは明らか。作品の方はタイトルにあるとおり、全国を巡って様々な木に出会っていく中での心象風景とでも言えばいいのか。独特な文体に読み進むのに若干苦労するも、オンラインショップサイトの読者レビューを読むと、「わかりやすい表現」、「美しい文章」などの評が並ぶ。やはり自分は生粋の読書家ではないらしい。


他には、昔、滝と天使を絵描いた作品群にかなりハマった横尾忠則の「導かれて旅」をニ十年以上ぶりに読み返し。

天使、UFO、滝、そんな不思議なものに導かれながら二人の同行者と日本各地を一年間に渡って旅をした記録。奇跡のりんごで一躍有名になるずっと前の木村秋則氏に旅で出会っていたことを知ってちょっと驚き。



■スピリチュアル関連
二十代後半から三十代にかけてスピリチュアル、精神世界の世界にはまっていた時期がある。ただ、いつだったたか忘れたが、長女に「お父さんってそういう本ばかり読んでる割に、いつもイライラして怒ってばかり」と言われことでハタと我にかえり、以降はこの手の本から遠ざかるきっかけに。今では、そんなこともあるよねくらいの感じでたまにこの手の本を読むこともあって、この世界にハマるきっかけとなった米国女優シャーリー・マクレーンの「アウト・オン・ア・リム」を始めとする何冊かの作品を久しぶりに読み返してみた。

当時は、大いなる自己(ハイアー・セルフ)、輪廻転生などの概念に度胆を抜かれ、こんな世界があったとは・・・と、どんどんのめり込んでいったのだが、こうして久しぶりに読み返すと、意外にその手の内容以外の他者とのせめぎあいなんかの部分が多く、ページ数も多いことから読み進めるのに時間がかかったりしたのは、客観的にこの手の話を俯瞰できるようになったからなのかも。まぁ、スピリチュアル・ブームのきっかけとなった作品群なので、好き嫌いは別れる作品かな。



旅行作家として忙しく飛び回っていた宿泊先でいろんな方の相談、手相鑑定をしているうちに、こっち関連の著作が多くなっきたという小林正観さんの著作を出社時のバスの中で何冊か。

この方のために出版社まで立ち上げた方までいるというのはちょっと驚き。厳密?にいえばスピリチュアル本ではないが、不思議な話だらけということでとりあえずこのカテゴリーに。


素手でトイレ掃除を続けるとお金が巡ってくるとか、ありがとうを口に出して何十万回も言っていたらがん細胞がなくなっていたとか、不思議といえば不思議な話のオンパレード。ただ、だからそうしなさいとか、私は神だとか、そんな話になることはなく、実践してみたらこんなことが起きたって話を淡々と紹介するだけ。実践するもしないもあなた次第。ってとこ。

「そうじ、笑い、感謝」、「競わない、比べない、争わない」の実践は理にかなってるかも。


■歴史・皇室関連

昨年、日本書紀が正式な国史であることを知り、突然自分の中で日本書紀、古事記ブーム勃発。

必然的に万世一系と言われる皇室の歴史にも興味が湧き、今年は明治天皇の玄孫竹田恒泰の渾身作「現代語古事記」をなんとか読み切った。

内容の相似性からか日本書紀と古事記はよくセットで語られるが、日本書紀の方に惹かれるのはあくまでも個人的な趣味の範囲。


昨日、一昨日も年末向けに皇室関連を。



■音楽関連
最後はやっぱり音楽関連。

古市コータロー、チバユウスケ、真島昌利それぞれのディスクレビュー本は以前紹介済。


今年後半になって長く活動してきたロックバンドのヒストリー本の発刊が相次いだのは、これらもすでにこのブログで紹介済。


最後の最後に紹介するのはバンド活動はすっかり止まってしまったが、メンバーそれぞれはいまだ日本のロック界で活躍を続けているルースターズのインタビュー本。

結成時のメンバーはもちろん、各時代の歴代メンバーへのインタビューもしっかりされているところは、作者今井智子がルースターズを始めとするこの時代の日本のロックバンド群と共に歩みを続けてきたからこそか。まだ、読み終えていないが想像以上に読み応え十分な内容。



もう少しでやって来る年末年始休暇には、電子書籍で安く購入できた永井荷風の作品集を楽しむのもいいのかも。

なんて思いつつも、結局は昼から酒を飲んで読書どころではなかったりして。


さて、今日は友人のバンドベインビールのライブ。こんな時、遠く離れた札幌にいるもどかしさを感じるのだが、それはそれで仕方のないこと。

とりあえずはライブの成功を祈ることにしよう。


今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。