先日、駅ビルの書店で音楽コーナーを覗いていたら、チバユウスケのEVE OF DESTRUCTIONという本が飾られていたのが目に入ってきた。


手に取ってパラパラと捲ってみたら、チバが10代から20代途中までに聴いていたレコードのレビューらしい。


本の大きさがシングルレコードサイズ、発行元は「SOW SWEET PUBLISHING,INC.」ということだから先日手に入れた古市コータローのHero In My Lifeと一緒だと気付く。


で、同じコーナーの下の棚に目を向けると同じサイズでマーシー(真島昌利)の「ROCK & ROLL RECORDER」という書籍が目に入る。発行元は同じで表紙には”初の著書は自伝的ディスクガイド”と記されており、先の2冊と同じくミュージシャンによるディスクガイドとなる。ただ、2冊と違うのは表紙が厚く固めのものでしっかりしてて値段が若干高め。と言っても300円くらいしか違わないけど。


これはチバのも、マーシーのも立ち読みなんかじゃなくしっかり買って読んでみたい。が、両方買ってしまうと6,000円近い出費。でもどちらか一方にも決めかねる。ということで、一旦買わずに考えてみることに。


家に帰ってネットで確認すると、チバの方はすでにオークションサイトでは定価以上の高値取引が目立つ。これは新刊書店に在庫があるうちに買っておかないと手に入れづらくなるかも・・・ということで、早速翌日出社前に(この日は午前リモート、午後から会社だったもんで…)書店に寄って購入(ポイントを貯めて交換した駅ビルの商品券が2,000円分あったので実質の出費は1,000円弱)。

買ったその日のうちに一気に読み上げる。モッズやルースターズが登場する辺りはやはり同年代ってところだが、パンク、パブロック、ガレージ、スカなんかに留まらずジャズまで聞き及んでいるところはさすが貪欲なミュージシャン、自分のようなにわかロックファンとは底の深さが違ってる。


で、こうなるとやはりマーシーのが気になって仕方ない。


オークションサイトやフリマサイトを覗くとチバみたいに定価越えはないが、それでも定価に近い金額のものばかり。それなら普通に新品を買った方がいいかってことで、少額だがクーポンがあるタワレコオンラインで注文。数日後近所のセブンイレブンで受け取り、やはりその日のうちに読了。

ARBにRCサクセション、PANTA&HAL、リザードにプラスティックスと、こちらも日本のロックで聴いてきたのはどれも自分と似通っている。 

そんな中ちょっと嬉しかったのはビジネスというバンドのうわきわきというシングルレコードが紹介されているところ。今まで、このバンドを聴いてたって人に会ったことがなかったので、ここにいたか―って感じ。

で、マーシーももちろんパンクロックを中心にレゲエ、ブルース、ロックンロールってのは他と同様だが、とにかく紙面の作りがPOPで見ているだけでワクワクしてくる。しかもディスクレビューというより、そのレコード、ミュージシャンに出会った時のエピソード中心ってところが単なるレビューと違って好感が持てる。

そういえば自分がブログを始めるきっかけにもなったストラマーズのアキトがバンドのサイトでシリーズ化していた「AKITOのR&Rレコード」っていうブログもそんな感じだったのだから、単純に自分の好みがそういうのってことだけなのだが。このアキトのブログは好きすぎて、全てプリントアウトしてスクラップしています。


ミュージシャンのレビューが愉しめるのは単純に自分の好きなミュージシャンが通ってきたロックヒストリーの背景を知ることができるからだろうが、それらを血肉として自身がロックミュージシャンになった人の視点というのは、評論家のそれとはまた違ったものがあるから惹きつけられるんだろうな。その昔、ロッキンfという雑誌のレビューコーナーにレギュラーで執筆していたリザードのモモヨが、ARBの「BOYS & GIRLS」のレビューで「もっと、もっと、血を流さなくちゃ!」と評したのを目にして、自分がこのアルバムを聴いたときの物足りなさを見事に語ってくれた!と一人ほくそ笑んだのを思い出す。いや、そう言っても好きなんですけどね、このアルバムも。


自分にはここで挙げたミュージシャンの皆さんのようなレビューを書くことは到底無理だけど、それでも自分が出会ったロックミュージックをこれからもこのブログで発信し続けられれば、自分にとっては言うことなしってところ。ってことで、これからもお暇なときにちょっとでも覗いていっていただければ。

ちなみに、ここで紹介した三氏のレビュー本は自分と同年代(自分は1964年生まれの完全昭和世代)の方であれば、どれも愉しめること間違いなし。もし書店で目にしたらパラパラと捲ってみてください。お薦めです。




チバとマーシーのナンバーから大好きな2曲を。


今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。