10月も1週間を過ぎたところでようやく秋の気配。
しばらく前までは9月に入るとすぐに秋って感じだったが、今年は史上最大の猛暑ってこともあったからか、秋の訪れが遅かったようだ。それでも、冬はいつも通りにやってきて、雪、雪、雪の日々が続くのだろう。
真夏の昼間にゴキゲンなロックンロールが聴きたくなるように、秋は秋で少しだけおとなしめのロックが(ここはロックン・ロールじゃなく)聴きたくなるものだ。
ってことで、今回は自分が秋の夜長に無性に聞きたくなるロックを。
■Brekfast In America/Supertramp
1980年のグラミー賞ジャケット部門も獲得したほどに印象的なジャケットの同名タイトルアルバムA面4曲目に収録されているこの曲。あまりのヒットでジャケットに映る女性がプロモーションで来日したのがニュースになったのを覚えている。
高校受験を控えた中3の秋、受験勉強のBGMとしてこの曲が収録されていたアルバムを流していたからなのか、秋になるといの一番に聴きたくなる大ヒットナンバーだ。
アルバムのタイトル名からずっと長いことアメリカのバンドだと思っていたのだが、今頃になってイギリスのバンドだということを知りました。
■Head Games/Foreigner
同名タイトルのアルバムB面1曲目収録曲。
前出のブレックファスト・イン・アメリカ同様ジャケットが話題に。と言っても男性用トイレで振り向く女性が描かれていたのが世間の評判が悪かったということで。
まだパンクロックに傾倒する前の中学生の頃は、この手の(商業ロック?)バンドのレコードもそれなりに聴いていた。というか、ロック雑誌で大きく扱われているバンドにとにかく手を出していくロック初心者だったってこと。
これは受検勉強のBGMに使っていなかったはずなので、なぜに秋に聴きたくなるのかは謎。
■Armed and Ready/M.S.G
スコーピオンズ~UFOを経て、ようやく自らのバンドを結成。そのデビュー・アルバム(放題は神)の1曲目に収められた超弩級のハードロックナンバー。
秋に聴きたくなるのは、単純に高二の秋、学祭バンドでこの曲を演ったから。
その時のギタリストの愛器は高校生の分際でフェンダーテレキャスター。
当時はまだフェンダー・ジャパンはなかったのでU.S.Aモノ!テレキャスでM.S.Gってのもなんだけど、フェンダーを使うだけのテクニックがあったのは確か(だったはず)。
■Show Me The Way/Peter Frampton
この曲を聴くなら、スタジオ・アルバムFRAMPTON収録バージョンより、Framton Comes Alive!に収録された方が断然お勧め。なのは、兄のコレクションにあったこのライブアルバムをよく聴いていたから。
この曲を聴いて、トーキング・モジュレーターというモノの存在を知りました。
前曲同様、秋の学祭演奏曲。
■Shandi/KISS
この曲が収められたアルバム「仮面の正体」を秋に聴きたくなるのは、ドラムのピーター・クリス脱退という感傷的な出来事が秋のセンチな気分に
似ているからか。
このシャンディは、ハード・ラック・ウーマン、ベスに続くロッカバラードの名曲。ピーターが唄っても案外はまったかも。
■All My Love/LED ZEPPELIN
ツェッペリンの実質ラストアルバム「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」B面2曲目。
秋の夜に聴くと一層染みるのは、プラントの亡くなった息子に捧げられたバラードということもあるのだろう。
アルバム自体はあまり評判は高くなかったが、ロックレジェンドのアルバムをリアルタイムで買った体験は貴重ってこともあり、自分的にはツェッ
ペリン作品の中でイチオシ。
水で濡らすと変化するのが6種類あるジャケットなのか、そのジャケットを隠すためのアウトスリーブなのか、それともインナースリーブなのかが
わからず、すべてを順番に濡らしてしまったとう悲しい思い出も。
■雨のニューヨーク/B.C.R
なんともトホホなジャケットのアルバム風のストレンジャーのオープニング・ナンバー。
そのジャケットからは想像もつかないほどの大人なウエストコーストサウンドを感じさせるアルバムで、ジャケット、プロモーションさえ戦略的であれば、あのジャパン同様にアイドルバンドからロックバンドへ脱皮できたかも・・・と思うと残念。そんな切なさと曲の枯れ具合も相まって秋になるとついつい聴きたくなってしまうのか。
前々作までは明るいポップナンバーが売りだったバンドが、この曲をアルバム一曲目に据えたことからも、メンバーのアイドルからの脱却に懸ける
思いを感じ取ることができるはず。
■No Woman,No Cry/Bob Marley & The Wallers
言わずと知れたボブ・マーリーの代表曲。
レゲエと言えば夏のイメージだが、ことボブ・マーリーにそれを感じないのは、この曲が収録されたNatty Dreadしか聞いたことがないからか、それとも彼の魂がそう思わせないのか。
■PALL MALLに火をつけて/ARB
ARB4枚目のアルバム指を鳴らせ!の中でもひと際異彩を放つジャジーなナンバー。
ドラムのキースの急病によりアナーキーの小林高夫、元サンハウスの浦田賢一、元キャロル、D.T.B.W.Bの相原誠がレコーディングに参加したこのアルバムがリリースされたのが、恥ずかしながらその後2年ほども引きずることになる大失恋のどん底にいた高2の秋だった。
俺の大事なあの娘 アメリカ ワシントンへ
一人で行ってしまった ただ涙をあずけて
だからオイラは今日も一人
いつもの店のあの椅子に
腰をおろして 想い出ふかす
俺とお前の PALL MALL
って歌詞をそんな自分と重ねてた随分とナルシストな小僧であったのだ。
もちろん、この曲を聴いて西洋タバコのポールモールも吸ってみましたが。
まだ高校生じゃないかー(笑)って、もう40年以上前のこと、時効ですね。
■青の季節/ストリート・ビーツ
リズム隊の脱退で沖兄弟2人だけになってしまったビーツのアルバム「ワイルドサイドの友へ」に収録されている、ラフブヒストリーソング。
歌詞に出てくるのは春、夏、冬と秋以外の季節なのに秋に聴きたくなるのは、途中ちょっとだけ切なさを感じる歌詞が顔を覗かせるのと、あまりに
も綺麗な旋律のアコースティックギターの音色のせい。
アコースティックアルバムにチャレンジするパンクバンドも多いが、どうせならこのくらい綺麗なアコースティック・サウンドを聴かせてほしいと
ころ。
かなり長くなりましたが、今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。