たまたま覗いてみたブログで昭和の傑作青春ドラマ「俺たちの旅」のDVD発売を知った。
何話ずつかを1枚のDVDにまとめて定期的に書店で販売されるあのシリーズで、ご多分に漏れずシリーズ恒例の創刊号特別価格499円の破格値。
昭和時代に青春を過ごした世代には外せないドラマのひとつ、これは買わないわけにいかない。
と言っても、このドラマが放映されていた1975年~1976年といえば、自分はまだ小学5~6年で、青春にはまだ少し早い少年期。そんなガキが、就職を目前に控えた大学生を主人公にした若者たちの生き方を問う青春ドラマに夢中になった理由は思い出せないが、それまで野球に夢中だった少年が、このドラマ放映が終った翌年、中学入学と同時にバスケ部に入部したのは、このドラマの主人公カースケが大学のバスケ部キャプテンだったことに影響されたからだった。
当然ながら、主人公を演じた中村雅俊が歌うドラマの主題歌「俺たちの旅」のシングルレコードも買ってもらって毎日聴いていた。
そういえば、昭和の時代はドラマの主題歌のレコードを買ってよく聴いていたっけ。
ということで、今週はそんな中から何枚かを。
■帰らざる日のために/いずみたくシンガーズ
ドラマの主人公は俺たちの旅と同じ中村雅俊。
サビのところで歌われる「涙は心の汗だ」は、あの頃の青春を象徴するような言葉。
このドラマと主題歌の影響か、早く高校生になって青春を謳歌したいと真剣に思う日々を過ごしていたのは、小中学の義務教育の時期、学校でも家庭でも目に見えない何かに、どこか縛られている感があったからかも。
結果、高校で思い描いたとおりに青春を謳歌したかといえばそうではなく、ドラマで描かれる青春の日々とはかけ離れた鬱屈した日々を過ごしていたような・・・。
この曲を作曲したいずみたくは、このドラマの前作「飛び出せ青春」の主題歌「太陽がくれた季節(歌 青い三角定規)」も作曲していたが、こちらもドラマとともにあの頃の青春を感じる一曲。
■時代遅れの恋人たち/中村雅俊
中村雅俊が「われら青春」、「青春ド真中!」に続き、高校の教師を演じた青春ドラマ「ゆうひが丘の総理大臣(1978.10-1979.10)」の主題歌。
生徒たちから「ソーリー」と呼ばれる型破りな熱血教師大岩雄二、個人的にはわれら青春の教師沖田俊の方が好きだったかも。
井上純一の不良役がどうもイマイチはまってなかったような・・・。藤谷美和子が生徒役で出演していたのが懐かしい。
このドラマも昭和傑作テレビドラマのシリーズとしてDVD化されるようなので、創刊号だけは買うことにしよう。
■太陽にほえろのテーマ/井上堯之バンド
言わずと知れた昭和を代表する刑事ドラマ「太陽にほえろ(1972.7-1986.11)」のテーマ曲。
冒頭のメロディ🎵パラパー、パラパー♬は、今でも忘れないほどに印象的。
井上堯之バンドのメンバーでこの曲を作曲した大野克夫は、グループサウンズのスパイダース、PYGのメンバーでもあり、沢田研二の「時の過ぎゆくままに」や「勝手にしやがれ」の作者としても有名。
ドラマは昭和の大スター石原裕次郎演じるボスこと藤堂係長を中心とした警視庁七曲署捜査第一係の刑事たちの活躍を描いたもので、新人刑事がやがて殉職しドラマを降板し、新たな刑事がやってくるというパターンが長く続いた。萩原健一、松田優作、勝野洋、山下真司、渡辺徹、神田正輝等が新人刑事役を演じ、番組降板後も活躍してましたね。
石原プロモーション制作で同様の刑事ドラマ「大都会」があったけど、個人的にはヒューマンドラマ的要素の大きかったこっちの方が好きだった。
■男たちのメロディー/SHÕGUN
沖雅也演じる探偵麻生雅人が経営する麻生探偵事務所の一攫千金を狙ったコメディタッチのアクションドラマ「俺たちは天使だ(1979.4-11)」の主題歌。
SHÕGUNは、この番組の音楽を手掛けるためにギタリスト芳野藤丸を中心とした実力派スタジミュージシャンで編成されたバンド。
70年代後期から80年代初期にかけ、腕利きのミュージシャンで結成されたバンドがドラマのテーマ曲を制作しヒットさせることが多かったような気がする。
フュージョン的な要素も入り混じった日本人独特のサウンドは、あの当時のテレビドラマにはうってつけだったのか、竹田和夫率いるクリエーションの「ロンリー・ハート」もこの「男たちのメロディ」に似たサウンドで、ドラマ「プロハンター」の主題歌として大ヒットした。
SHÕGUNはこのドラマの後も活動を続け、同じ探偵ドラマ「探偵物語」の主題歌BAD CITYもヒットさせた。
■ジェームス・ディーンのように/JOHNNY
八千草薫演じる茜が経営する弁当屋に勤めることになったツッパリたちと茜たちとのぶつかり合いを描いたドラマ「茜さんのお弁当(1981.10-12)」の主題歌。
横浜銀蝿のギタリストJOHNNYのソロデビュー作で、ドラマには銀蠅ファミリーの嶋大輔、杉本哲太も出演していたことから、横浜銀蝿の事務所と制作側になんらかのタイアップがあったのかも。(あくまでも勝手な想像)
ドラマの方は全く見ていなかったし、横浜銀蝿にもそれほど興味がなかったが、この曲は銀蠅の曲より洗練されてるように感じ、案外好きだった。
JOHNNYはその後バンド活動から退き、キングレコードの上席執行役員にまでなられたようだが、2019年の横浜銀蝿再結成に参加。ギターを弾く姿はあの頃と変わっていなかった。というか、現在の方がやけにカッコよく見えるのは、彼のこれまでの生き方がその身に表れているからなのかも。
■バラッドをお前に/THE MODS
モッズファンとしてはこれを紹介せずには終われない。
自分の子供を高校に通わせず大学入学資格検定によって大学に入学させる道を選んだという実話を元にしたドラマ「中卒・東大一直線もう高校はいらない(1984.2-3)」の主題歌。
このドラマもさして興味はなかったが、モッズが出演した回だけは見たような記憶。
当時、この曲に対してそれほど思入れもなく、どちらかというとベーシストの北里がボーカルをとるポゴ・ダンシングがB面に収録されたことの方を喜んでいたが、今では、ライブで森山がカポタストを装着したテレキャスターを持つと、おっ、次はバラッドがお前にだ!と思わずにやけるほど、長い時間をかけて好きになった一曲。
オリコンでは最高33位と、前作の激しい雨がに続くヒット曲となった。
あの頃からすでに40年以上の時が過ぎ、時代も昭和、平成から令和へと移り変わり、テレビドラマを見ることもめっきり減ってしまったが、あの頃、テレビから流れてくる主題歌を一緒に口ずさみながら、ドラマが始まるのを今か今かと待つワクワクな感じだけは、今でもしっかりと胸に刻まれているのである。
さて、先週も紹介したが、友人のパンクバンド「ベインビール」のライブが9月21日(木)渋谷CYCLONEで開催される。お近くの方は是非!
今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。